この記事は弁護士が監修してます。
弁護士法人 福地海斗法律事務所
弁護士 福地海斗
略歴
中央大学法学部卒業 /東京大学法科大学院入学 /第二東京弁護士会所属
火災保険申請サポートを安心して利用いただけるように、私が法律面をしっかり監修しております。修復ナビは信頼できる火災保険申請サービスですので、お気軽にご利用ください。
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火災保険の給付金を受け取るためには、保険会社に申請する必要があります。しかし、火災保険の申請を自分で行うのは決して簡単ではないのです。申請書類の記入や事故現場の写真撮影が難しいうえ、保険会社と交渉をしなければならないケースもあるためです。
火災保険の申請を自分で行うためには、どのような点に気をつければ良いのでしょうか。また、申請をスムーズに行うために気をつけるポイントはあるのでしょうか?火災保険の申請を自分で行いたいと考えている方はぜひご覧ください。
火災保険申請は自分でできる?
結論からいいますと、火災保険申請は自分で行うことができます。しかし、申請の準備や保険会社とのやり取りといった手間がかかります。また、書類に不備があったり、損害の程度が保険会社に正確に伝わらなかったりすると、給付金の減額や否認をされてしまう恐れもあります。
そのため、自分で申請手続きを行う場合は、慎重に手順を踏む必要があります。この後紹介する、自分で申請するときの手順を参考にしてください。
自分で申請できるか不安と思った方は、サポート業者に依頼するのも一つの手段です。火災保険に精通したプロフェッショナルが手続きをサポートしてくれるため、手間をかけずに正しい申請ができます。ただし、業者とのやり取りがある分、給付金支給までに時間を要する場合があります。
自分で手間をかけて申請を行い、早く給付金を受け取るか、サポート会社に依頼して負担をかけず確実にゆっくり給付金を受け取るか、ご自身に合った方法を選ぶと良いでしょう。
自分で火災保険申請するときの手順
まずは、自分で火災保険申請をする時の手続きを解説します。申請方法を把握しておくことで、サポートに依頼する際もスムーズに進みます。大まかでも構いませんので、流れをつかんでおきましょう。
- 保険会社へ報告する
- 被害箇所の撮影
- 修理業者に見積もりの依頼をする
- 申請書類を準備して提出する
- 保険会社の審査を受ける
- 給付金を受け取る
- 修理を依頼する
保険会社へ報告する
被害を見つけたら、保険会社に連絡します。連絡先は契約書や保険証券に記載されています。その際、以下の伝達事項をまとめてから連絡をするとスムーズに進みます。
- 契約者氏名
- 保険証券番号
- 事故発生日時
- 事故内容
- 被害状況
被害箇所の撮影
被害箇所の様子が分かる写真を撮影します。写真は事故発生時に、必ず契約者自身で撮影しましょう。
見積もり時に修理業者が写真を撮影することもありますが、十分な数の写真が撮れなかったり、事故当時の状況が分からなくなったりしてしまう恐れがあります。そのため、自分で写真に残しておくことも必要です。
例えば、水漏れ事故が起きたが乾いてしまったり、ガラス破片が飛び散って危ないので片付けたところ、被害状況が分からなくなったりするケースが起こりえます。
写真撮影でもう一点注意したいのが、屋根の上など高所の破損時です。2階建ての屋根の高さは7~9メートル程度もあるうえ、傾斜しています。自分で屋根に上って写真を撮影すると転落し、大けがをする可能性もあります。
屋根の高さまで届く伸ばし棒を購入して下から撮影する、もしくは3~4メートルほどの伸ばし棒で2階から撮る方法が安全です。いずれも屋根の上からの撮影はできないため、できるだけ多くの写真を撮影しておきましょう。
修理業者に見積もりの依頼をする
火災保険申請のためには、損害額を明確にすることが必要です。そのためには修理見積書を作成しなくてはなりません。修理業者に依頼すれば、無料で見積もりを出してもらえる場合があります。
修理業者に見積もりを依頼するとそのまま修理契約を勧められる場合があります。しかし、見積書通りの給付金が下りるとは限りません。そのため、給付金を受け取るまでは契約をしない方が良いでしょう。
なお、火災保険申請サポートでも見積書の作成は可能です。
申請書類を準備して提出する
保険会社に連絡すると、必要書類が送られてきます。それに加え、事故現場の写真や市役所等から取り寄せた書類が必要です。
提出書類 | 概要 | 入手法 |
---|---|---|
給付金請求書 | 証券番号や契約者の氏名、連絡先、口座など基本情報を記入 | 保険会社より送付 |
損害明細書 | 家屋の損害箇所や家財について1点ずつ詳細を記入 | |
事故内容報告書 | 災害の発生日や事故状況の詳細を記入 | |
修理見積書 | 損害額を明確にするために必要 | 工事業者、リフォーム会社、火災保険申請サポートなど |
罹災証明書 | 自然災害で被災した場合に必要 | 消防署もしくは自治体 |
住民票 | 本人確認に使用 | 区役所や区役所の出張機関 |
印鑑証明書 | 請求金額が高額な場合、保険金請求書に実印を押印し印鑑証明書をつけて提出 | |
建物登記簿謄本 | 建物の所有者と保険請求者の一致を確認 | 管轄法務局 |
被害写真 | 建物が特定できる写真、建物の全体の写真、被害箇所が同時に写っている写真 | 自分で撮影、もしくは火災保険申請サポートに依頼 |
保険会社の審査を受ける
保険会社に申請書類を提出すると、審査が始まります。場合によっては、保険会社の担当者や鑑定人が現地調査を行うことがあります。現地調査とは、実際に損害箇所を調査して損害の原因や程度を確認するというものです。
現地調査の際には申請者が同席し、損害を受けた箇所を説明したり、質問に答えたりといった応対をする必要があります。質問に正確に答えられるように、火災保険の知識を自分で勉強しておくことも必要です。
現地調査や審査の結果を踏まえて、給付金支給の可否が決定されます。
給付金を受け取る
申請が通り、給付金の支給が決定されたら、1ヶ月ほどで給付金を受け取れます。給付金は指定の口座に振り込まれるのが一般的です。
ただし、申請が通っても、希望通りの金額が受け取れるとは限りません。審査の結果によっては、減額されてしまうこともあります。
審査結果に納得がいかない場合は再申請や再調査を希望することもできます。まずは保険会社に連絡しましょう。
修理を依頼する
給付金を受け取ったのを確認してから、業者に修理依頼をしましょう。受給後であれば、もらえた給付金に合わせて修理の契約を結ぶことができます。
なお、給付金は損害を補償するためのお金であり、修理資金ではありません。修理箇所を必ず直さなければならないという決まりもありませんので、受け取った給付金は自分で自由に使えます。
ただし、今回もらった給付金を被害のあった箇所の修理費用に充てなかった場合、その箇所を修理せずに再度火災保険を申請することはできないので、修理はしておくほうが良いでしょう。
自分で火災保険申請をするときのポイント
自分で火災保険を申請する場合、ミスがあると申請を否認されたり、給付金を受け取れるまで時間がかかったりといった問題が起こります。特に間違いやすいポイントを押さえ、自分でしっかり注意して準備を行いましょう。
- 契約内容を確認する
- 被害を発見したらすぐに申請する
- 写真は被害箇所が鮮明に映るように撮影する
- 書類を正確に記入・準備する
- 見積書の内容に注意
契約内容を確認する
火災保険の補償範囲や補償額は、契約により異なります。発生した被害が加入している保険で補償可能なものなのか、またどの程度給付金を受け取れるのかを自分で確認しておきましょう。
例えば、破損汚損特約の補償範囲を「建物」に限定している場合、家財が破損しても補償はされません。保険料を安く抑えようと、補償範囲を狭くしている方は注意が必要です。
また、免責金額も要確認です。免責金額とは、契約者が自己負担する額を指します。被害額が免責金額を下回る場合、申請をしても給付金は下りません。
被害を発見したらすぐに申請する
火災保険はなるべく早く申請しましょう。火災保険は損害発生から3年以内であれば申請可能です。これは保険法第95条第1項により保険金の支払請求権の消滅時効が3年と定められています。しかし、申請が遅れると経年により被害箇所があいまいになったり、給付金をもらうのが遅くなったりします。
それに加え、申請が遅れると経年劣化と区別がつかなくなり、保険会社に否認されてしまうケースもあります。
特に災害にあった時はなかなか火災保険まで手が回らないかもしれませんが、可能な限り早急に着手しましょう。
写真は被害箇所が鮮明に映るように撮影する
被害箇所の写真は、火災保険を申請するうえで重要な資料になります。被害箇所が鮮明に写るように注意して撮影しましょう。ピンボケの写真では被害状況が分からず、給付金が下りない恐れがあります。
画素数は2,000万ピクセル程度あれば安心ですが、1,200万ピクセルでも正確に取れていれば十分使用に耐えます。現在のスマートフォンの画素数が1,200~4,800万ピクセルですので、スマートフォンを使って自分で撮影した写真でも申請は可能です。
もう一点重要なのが、なるべく多くの写真を撮影することです。必要ないと思っていた写真が、保険会社にとっては重要であることもあるためです。
アングルや範囲を変えながら、多めに撮影しておきましょう。
書類を正確に記入・準備する
書類に不備があると審査が遅れたり、再提出を求められたりする場合があります。火災保険の書類は種類が多く、取得先もバラバラで準備に手間はかかりますが、正確に記入、準備をするようにしましょう。
分からない点は火災保険会社や火災保険申請サポートに確認することも重要です。
見積書の内容に注意
被害額を可視化するために必要な見積書ですが、記載内容によっては申請に利用できないこともあります。
具体例としては、設備のグレードアップや一式工事の見積もり書が挙げられます。これらの見積書では損害箇所や設備のみの損害額が分からないため、火災保険の申請書類としては不適当です。
自分で火災保険を申請することが難しい理由
火災保険申請は自分でできなくもありませんが、非常に複雑かつ困難です。
なぜなら、損害箇所の特定や火災保険の申請にはある程度の知識が必要になるためです。また、火災保険会社と意見の相違があった場合には、自分で主張をしなくてはなりません。交渉が苦手な方にとっては大変なストレスになってしまいます。
自分で火災保険申請を行うに当たり、特に障害になる点をいくつかご紹介します。
被害箇所の特定が難しい
火災保険を申請するためには、契約者自身が被害箇所を見つけて、何が原因かわかっていなくてはなりません。
例えば、「雨漏りをしているから、たぶん屋根が壊れている」などといった内容で申請することはできません。屋根の破損位置や程度までを特定し、証拠となる写真を撮影しなければ補償の対象にならないのです。
しかし、特に高所の屋根や外壁などの破損を自分で見つけ、写真を撮るのは困難です。せっかく火災保険に入っているのに損害が特定できず、申請を諦めてしまうことにもなりかねません。
書類や写真の準備が難しい
書類や写真の準備が煩雑であることも、火災保険申請のハードルを上げる要因です。
火災保険を申請する際には、以下の情報が判明していなければなりません。
- どのような損害が発生しているか
- どのような修理が必要になるか
- 修理にどれくらいの費用がかかるのか
そのためには、以下のようなものを準備しなければなりません。
- 見積書
- 被害の状況説明書
- 被害箇所の写真
まず、1. 2.の書類を作成、準備するためには、ある程度住宅に関する知識が必要になります。万が一見積書の内容と保険会社が定めている基準に大幅な差があると、水増し請求と見なされて減額や否認をされてしまいかねません。
また、3.の写真撮影も決して容易ではありません。まず、撮影のためには機材が必要です。現在はスマートフォンがあるとはいえ、高所の撮影には伸ばし棒や脚立が必要になるため、機材を準備するところから始めなくてはなりません。
それに加え、高所の撮影は非常に危険です。先述の通り、損害箇所が屋根の場合は、屋根の上に上ったり、脚立に上って伸ばし棒を使ったりするなどして撮影をしなければなりません。転落事故にもつながる危険な作業です。たとえ撮影ができたとしても、解像度やアングルが悪く、損害の証拠として認められない場合もあります。
このように、火災保険申請の準備には、ある程度知識や技術が必要です。一般の方が自分で行うのは難しいといわざるをえないでしょう。
否認や減額をされてしまうことがある
苦労して申請を行っても、給付金を満額受け取れるとは限りません。保険会社によって申請が否認されたり、減額されたりしてしまうことがあるためです。
保険会社にとって、給付金の申請は決して歓迎できることではありません。給付金を出すと利益が圧迫されてしまうためです。
保険会社は申請者の味方ではありません。どちらかが得をすればどちらかが損をしてしまうという関係にあります。そのため、何かと理由をつけて被害を認めず、否認や減額をする「出し渋り」をされてしまうこともあります。
出し渋りをされてしまった場合は自分で交渉をしなくてはなりません。手間だけではなく精神的負担もかかるため、火災保険を自分で申請する際の高いハードルになるでしょう。
火災保険申請はプロのサポートに任せよう
火災保険申請は決して自分でできないわけではありませんが、手間や時間がかかります。そのうえ、申請を行っても給付金を受け取れないケースも少なくありません。火災保険の給付金を早く、確実に受け取りたいのであれば、火災保険申請サポートの利用がおすすめです。
それでは、火災保険申請サポートに依頼するメリットを見ていきましょう。
被害箇所を発見、撮影してもらえる
火災保険申請サポートでは、自分では難しい高所や危険箇所の調査もしてもらえます。プロの目で精査することで、被害箇所の特定に加え、へこみや小さな傷など、自分では見落としていた微細な被害を見つけてもらえることも少なくありません。
被害状況を正確に、また細大漏らさず申告できるため、受け取れる給付金額が上がる可能性があります。
損害額の見積もりをしてもらえる
火災保険サポートでは、損害額の見積もりをしてもらえます。
先述の通り、修理業者に見積書作成を依頼すると修理を執拗に勧められたり、申請書類として利用できない見積書を作成されたりする恐れがあります。
火災保険サポートは火災保険のプロとして、保険申請に利用できる見積書を、正確な金額で作成します。もちろん、見積もりを依頼したからといって修理を迫ることもないため安心です。
火災保険申請サポートについてもっと詳しく知りたい方は、こちらもお読みください。
火災保険申請サポート業者は違法?代行との違い&悪徳業者の見抜き方も解説
保険会社や鑑定人と交渉してもらえる
保険会社に損害を認めさせるためには、ある程度の交渉力が必要です。
先述の通り、保険会社は給付金を支払うと損になってしまうため、自社に有利な主張をすることがあります。自分で交渉をした場合、保険に関する知識がない方や、交渉が苦手な方は一方的に言いくるめられてしまうことも少なくありません。
火災保険申請サポートに依頼すれば、現地調査の立ち合いや保険会社との交渉に関するアドバイスをしてもらえます。プロがによるサポートがあるだけでも心強く、交渉を有利に進めることができるでしょう。
火災保険申請のプロとは?
火災保険申請のプロとは、火災保険や建物に精通した専門家を指します。弁護士や火災保険申請サポート業者が当てはまり、専門的な知識と豊富な経験を用いて、申請サポートをしてくれます。
ここで注意したいのが、火災保険申請の代行、つまり申請に関わる全ての作業を代行できるのは、法律により弁護士のみと定められている点です。火災保険申請サポート業者はあくまでサポート役であり、申請は契約者本人が行う必要があります。
プロに依頼する場合は報酬や手数料がかかりますが、申請の手間が軽減される点や給付金が最大限もらえる可能性が高い点はメリットといえます。
ただし、火災保険申請サポート業者の中には、悪質なところもあるため注意が必要です。 悪徳業者と契約を結んでしまうと、以下のようなトラブルに遭う危険性があります。
- 一度契約すると解約に応じない、もしくは高い違約金を提示する
- 故意に建物を破損して被害報告をする
- 虚偽の申請や水増し請求を勧めてくる
火災保険申請のプロに依頼する場合は、しっかりと打ち合わせを行い、信頼できる相手かどうかを見極めるまでは契約をしないようにしましょう。
自分で火災保険申請して給付金を手にいれる成功方法!
火災保険申請を自分でする際の流れや注意点について解説しました。火災保険申請を自分で行うことは可能ですが、非常に煩雑な手続きが必要になるうえ、被害箇所の写真撮影が難しいケースもあります。さらに、書類や写真に不備があると火災保険会社より再提出を求められたり、減額や否認をされてしまったりすることがほとんどです。今回紹介した手順をしっかり踏んで、自分で火災保険の申請を成功させましょう。
手間をかけずに最大限の給付金を受け取りたい、という場合は、火災保険申請のプロに依頼するのがお勧めです。火災保険申請サポート業者に依頼すれば、被害箇所の特定や写真の撮影、見積書の作成といった、自分で申請するとハードルの高い部分を任せられるため、スムーズに、ストレスなく給付金受取りまで進めることができるでしょう。
しかし、火災保険申請サポートには悪徳業者も多く、損害額を上げるために建物を破損させられたり、高い違約金を求められたりするといったトラブルも起こりえます。
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