火災保険の請求では損害状況や保険金額を決めるために、現地調査が行われることがあります。この記事を読んでいる方の中には「火災保険の現地調査って何だろう?」と思っている方も多いのではないでしょうか。
実は、火災保険の現地調査には、火災保険申請の代行や申請サポート業者が行うものと保険会社が行うものの2種類があり、それぞれ目的や方法が異なります。この記事では、火災保険の現地調査の種類や特徴、現地調査の流れを詳しく解説します。
火災保険の現地調査には2種類ある
火災保険の現地調査には、大きく分けて2種類あります。ひとつは、火災保険申請の代行や申請サポート業者が行う現地調査で、もうひとつは保険会社自身が行う現地調査です。それぞれの現地調査には、目的や方法に違いがあるため、詳しく説明します。
火災保険申請の代行や申請サポート業者による現地調査
火災保険の申請を検討している方は、申請サポート業者に現地調査を依頼できます。複雑な手続きを任せられるので、契約者の負担が大幅に軽減されます。
保険会社が行う現地調査
保険会社が行う現地調査は、保険金支払いの可否や支払い額を判断するために実施されます。調査員が直接現地を訪問し、建物の損傷状況を確認します。なお、実施するかどうかの判断は保険会社が決めるものとなっています。
現地調査は申請内容に不明点がある場合や、損害額が大きい場合に行われることが多いです。また、保険金の不正請求が疑われるケースでも現地調査が実施される場合があります。
調査の結果、保険金の支払い額が決定されるため、保険契約者にとって重要な調査といえます。
火災保険申請の代行や申請サポート業者による現地調査の特徴
火災保険申請の代行や申請サポート業者による現地調査には、いくつかの特徴があります。ここでは、現地調査の目的や方法、無料で依頼できるケースについて詳しく説明します。
現地調査の目的
保険申請サポート業者による現地調査では、建築の専門家や火災保険調査人が、様々な方法を用いて被災物件の損傷状況を詳細に調査します。具体的には以下のような手法が取り入れられます。
調査方法 | 内容 |
建物への立ち入り調査 | ・建物の外観や内装の損傷状況を直接確認し写真や動画で記録 ・損害箇所の寸法を計測、修理に必要な情報を収集 |
屋根の調査 | ・屋根の損傷状況を詳細にチェック |
特殊カメラを利用した高所や隙間の調査 | ・人が近づきにくい場所の損傷状況を特殊なカメラで記録 |
ドローンを活用した上空からの調査 | ・屋根や外壁の損傷状況を広範囲で確認 |
これらの調査では、高性能な撮影機材で損傷状況を記録し、契約者から聞き取り調査も行います。こうして集めた情報で、保険申請サポート業者が保険金請求に必要な書類を作成します。
これらの情報を元に、保険申請サポート業者が保険金請求に必要な書類を作成します。この詳細な調査報告書は、保険金請求の手続きにおいて非常に重要な役割を果たします。
保険会社による現地調査の特徴
保険会社が行う現地調査は、保険金支払いの可否や支払い額を判断するために実施されます。ここでは、現地調査が行われる理由と、現地調査をされやすいケースについて詳しく説明します。
現地調査が行われる理由
保険会社が現地調査を行う主な理由は、保険金請求の内容を確認し、支払いの可否や支払い額を適切に判断するためです。現地調査では、とくに以下の点を重点的にチェックされます。
- 損傷の程度を確認し、保険の適用範囲に該当するかどうか
- 請求されている修理費用が妥当かどうか
保険会社としては、保険金の不正請求を防ぎ、適正な保険金支払いを行うために現地調査が不可欠となります。
現地調査をされやすいケースとは?
保険会社が現地調査を実施するかどうかは、様々な要因を総合的に判断して決定されます。
以下のようなケースでは、現地調査が実施される可能性が高くなります。
- 申請時に利用したサポート業者が過去にトラブルを起こしている場合
- 提出書類に不備や疑問点がある場合
- 地震保険の給付金請求の場合
- 給付金の申請額が高額の場合
これらのケースに共通しているのは、申請内容の信頼性に疑問があったり、給付金の金額が高額であったりするために、保険会社が現地調査を実施する必要性を感じやすいという点です。
火災保険の現地調査における流れ
火災保険の現地調査は、一定の流れに沿って進められます。ここでは、鑑定人の現地訪問から、調査結果の報告までの流れを詳しく説明します。
鑑定人の現地訪問
現地調査の第一歩は、鑑定人が現地を訪問することです。鑑定人は、保険会社から依頼を受けた専門家で、建物の損傷状況を詳細に調査します。訪問日時は事前に被保険者と調整され、当日は必ず立ち会いが必要です。
鑑定人は、建物の外観や内装をくまなくチェックし、損傷箇所を特定します。また、保険の契約者から事故の状況や建物の特徴について聞き取り調査を行います。
被害状況の説明
現地調査の冒頭で、鑑定人は調査の目的や流れ、所要時間などを被保険者に説明します。この際、保険の契約者は調査に必要な情報を提供し、鑑定人の質問に正直に回答する必要があります。
また、調査中は、鑑定人の指示に従い、安全には十分注意しましょう。調査の妨げになるような行為は避け、鑑定人の業務に協力することが大切です。
建物外観(屋根・外壁)の点検
火災保険の現地調査では、建物の外観、特に屋根と外壁の点検が重要な位置を占めています。鑑定人は、以下の3つの主要項目について詳細にチェックを行います。
- 外壁のタイルのはがれ
- 屋根の瓦の亀裂・ひび割れ
- 屋根や雨樋のゆがみ
鑑定人は、これらの項目を丹念にチェックすることで、損傷が火災をはじめとする自然災害によるものなのか、それとも経年劣化や故意によるものではないのかを判定します。屋根や外壁の損傷状況は写真や動画で詳細に記録され、後の調査や保険金請求の際の重要な証拠資料となります。
建物内部(室内・内装)の点検
建物外観の調査が終了したら、鑑定人は建物内部の点検に移ります。申請内容にもよりますが、室内・内装の現地調査では、主に以下のような項目が重点的に確認されます。
- 雨漏りの有無
- トイレや床のシミ
- 階段の壁紙のひび割れ
これらの項目は、火災保険の補償対象になる場合があります。
現地調査結果の報告
現地調査が終了すると、鑑定人は調査結果をまとめ、保険会社に報告書を提出します。この報告書には、建物の損傷状況、修理の必要性、修理費用の見積もりなどが詳細に記載されています。
保険会社は、鑑定人の報告書をもとに、保険金の支払い可否や支払い額を決定します。
ただし、注意すべき点があります。保険会社が依頼する鑑定人は、保険会社から報酬を受け取っているため、実務上、保険金を支払わない方向で結論を出す傾向があるのです。
具体的には、損傷の原因が 「経年劣化」 などを理由に保険金の不払いを伝えますが、その理由が不明確であったり、十分な説明がなされないことも少なくありません。
もし、保険会社の判断に納得できない場合は、専門家に相談したり、別の鑑定人に意見を求めることも検討しましょう。
鑑定人とのコミュニケーションにおける注意点
現地調査では、鑑定人とのコミュニケーションが大切です。鑑定人とのコミュニケーションにおける注意点は以下の3つが挙げられます。
- 正確かつ詳細な情報提供を心がける
- 質問には丁寧に対応し不明点は確認する
- 感情的にならず冷静かつ客観的な態度を保つ
それぞれ詳しく解説します。
正確かつ詳細な情報提供を心がける
鑑定人とのやり取りにおいて最も重要なのは、正確かつ詳細な情報を提供することです。事故の発生状況や建物の特徴、損傷箇所の詳細など、鑑定人が求める情報は積極的に伝えましょう。
情報が不十分だと、適切な調査が行われず、保険金額が下がる可能性があります。詳細な情報を提供することで、鑑定人は建物の損傷状況を正確に把握でき、保険金請求をスムーズに進められます。
質問には丁寧に対応し不明点は確認する
当然ですが、鑑定人から質問を受けた際は、丁寧に対応することが大切です。
感情的にならず冷静かつ客観的な態度を保つ
現地調査で感情的になるのは避けましょう。鑑定人とのコミュニケーションが難しくなり、調査の質が下がる恐れがあります。
そのため、被保険者は感情的にならず、冷静かつ客観的な態度を保つことが大切です。鑑定人の指摘に不満があっても、その場で感情的に反論するのは避けましょう。
鑑定人の意見を謙虚に受け止め、客観的な事実に基づいて対応しましょう。
火災保険の現地調査を有利に進めるには申請サポートの利用が効果的
火災保険の現地調査を有利に進めるには、申請サポートの利用が効果的です。申請サポートとは、火災保険の申請を専門に行う業者のサービスのことです。
申請サポート業者は豊富な知識と経験をもっています。そのため、火災保険の申請に必要な書類の準備や、保険会社との交渉など一貫してサポートしてくれます。
火災保険の申請が否認されたり、保険金が減額されたこ場合でも、適切な補償を受けられるよう専門家が保険会社との交渉を代行してくれます。
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