住居の屋根に断熱材を使用し、室内温度を快適に保ってくれる屋根断熱。
しかし、「屋根断熱の特徴がよく分からない」「実際に工事すると費用はいくら?」と、知らないことがあって不安な方もいるでしょう。
また、業者に依頼する前に屋根断熱に使用する素材について、知っておきたいものです。
この記事では、屋根断熱の費用相場とメリットやデメリット、断熱材の種類について徹底解説。
屋根断熱をDIYができるかどうかも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
なお、屋根断熱の施工をする際に、火災保険を利用できる可能性があります。
火災保険の申請の際には、申請サポート業者を利用するのがおすすめです。
屋根断熱と天井断熱の違いとは
屋根断熱とは、屋根の傾斜に沿って断熱材を入れた状態のことです。
一方で、天井断熱は天井の仕上げ材のすぐ真上に断熱材が入っています。
屋根に断熱材が入っているものを屋根断熱、天井に断熱材が入っているものを天井断熱と呼んでいます。
屋根裏を住居や物置などに使用していない家では、天井断熱を使用しているのが一般的。
屋根を吹き抜けにしたり屋根裏を活用している家では、屋根断熱を採用している場合が多いでしょう。
天井を吹き抜けにしたい方や屋根裏を住居等に活用したいなら、屋根断熱がおすすめです。
屋根断熱の費用相場は?
屋根断熱の工事にかかる費用は、10~70万円が目安です。
費用は断熱の方法や材料、屋根の面積によって異なります。
また、材料費を安くしても屋根断熱の施工は高額になることがほとんど。
なぜなら、高い場所での作業となるため、足場の設置が必要になるからです。
屋根断熱に使われる素材の費用について、以下の表にまとめました。
これから工事を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
断熱材 | 材料費(1㎡あたり) |
無機繊維 | 1,000~2,000円 |
天然繊維 | 1,500~4,000円 |
発泡プラスチック | 1,000~3,000円 |
断熱塗料 | 2,000~5,000円 |
屋根断熱のメリット3選
屋根断熱を採用するメリットは、以下の3つです。
- 屋根裏の空間を有効活用できる
- 屋根下の暑さ対策になる
- 開放感のある室内にできる
屋根断熱をすることで、デッドスペースになりがちな屋根裏を居住空間として利用可能です。
屋根下を部屋の一部にすれば、熱がこもることなく暑さ対策にもなります。
また、天井を吹き抜けにして屋根裏を無くすことで、部屋が開放的になる効果もあります。
屋根断熱を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
①屋根裏の空間を有効活用できる
屋根断熱は、屋根の傾斜に沿って断熱材を入れます。
そのため、屋根裏の空間を有効活用することができます。
屋根断熱をすることで、他の部屋と同じ室温環境にすることが可能です。
また、屋根断熱をすれば天井を無くし吹き抜けにもできます。
吹き抜けの天井は開放感があり、狭い家でも広く見えるという効果も。
屋根断熱を採用することで、家を広く見せデザインの幅が広がり、快適な空間を実現します。
②屋根下の暑さ対策になる
屋根断熱は、屋根下の暑さ対策にも効果的です。
天井断熱の場合、断熱材を入れた天井と屋根の間に熱がこもりがち。
冬は暖かくて良いかもしれませんが、夏は2階の部屋が暑くなります。
しかし、屋根断熱の場合は輻射熱の心配はありません。
天井断熱の場合は屋根裏全体の空気が熱せられ、輻射熱で2階が熱くなってしまいます。
屋根断熱なら実際に温められる空気層は25mm程度のため、輻射熱の影響はほとんどないと考えて良いでしょう。
夏場の暑さ対策をしたいなら、屋根断熱の採用を検討してください。
③開放感のある室内にできる
屋根断熱にすれば、吹き抜けだけではなくロフトや屋根裏部屋など空間を最大限活用できます。
最近の住宅に多いのは、狭い土地に住宅を建てること。
その場合、坪数は狭くても室内を広く見せるために、天井を高くしたり屋根裏を有効活用するデザインが人気です。
現在の住宅事情に適していることから、屋根断熱を採用する住居が増えています。
天井を無くして開放感のある室内にしたい方は、屋根断熱の採用を検討してください。
屋根断熱のデメリット
屋根断熱はメリットばかりのように思われますが、デメリットも存在します。
それは、結露により構造部分が腐食してしまうこと。
天井断熱の場合は棟や妻側に換気口を付けて屋根裏を換気することができます。
屋根断熱は屋根の部分の断熱材を付けているため、換気は特に必要ありません。
しかし、外と室内の温度差によって結露が発生することがあります。
これは屋根裏に限らず、冬場であれば1階の部屋にも結露はできます。
また、高気密で高断熱の現在の住宅は、昔と比べると湿度や結露による浸食スピードは速いので注意が必要です。
結露を発生させないためには、雨漏りを発生させないことや換気をして湿度を高めないことが大切だと覚えておきましょう。
屋根断熱に使うおすすめ素材4選
一言で屋根断熱と言っても、素材は様々です。
屋根断熱で使う素材には、無機繊維や天然繊維、発泡プラスチックが代表的。
中には、屋根に塗ることで日光を遮る断熱塗料も存在します。
どの素材もメリットとデメリットがありますが、あなたの家や生活環境に合わせた素材を選べるようにしましょう。
ここからは、屋根断熱に使うおすすめの素材を4つ紹介します。
- 価格を抑えるなら「無機繊維」
- 防音性を求めるなら「天然繊維」
- 屋根の補修も行うなら「断熱塗料」
- 湿気を抑えるなら「発泡プラスチック」
どの素材も、一般的な住居によく使用されるものです。
素材の種類や特徴を知ることで、業者に工事を依頼した際に工事内容を深く理解することができるでしょう。
以下では、それぞれの素材について詳しく解説をします。
①価格を抑えるなら「無機繊維」
材料費をなるべく抑えたいなら、無機繊維がおすすめです。
無機繊維とは無機物を繊維状にした断熱材のことで、生産性が高く安価なのが特徴です。
代表的な材料としては、グラスウールと呼ばれるガラス繊維や鉱物由来のロックウールなどが挙げられます。
無機繊維のメリットは、防火性と防音性に優れている点。
火事が起きた際に、少しでも家を守ってくれる断熱材は頼もしいです。
気になる生活音も、防火性の高い断熱材なら近所トラブルの心配は少ないでしょう。
デメリットは、ホルムアルデヒドなどの有毒物質が少なからず含まれていること。
あまり心配はいりませんが、敏感な体質の方はシックハウス症候群を引き起こしてしまう恐れがあります。
無機繊維は、コストを抑えたい方やアレルギー等の心配がない方におすすめです。
②防音性を求めるなら「天然繊維」
天然繊維なら、さらに高い防音性が期待できます。
天然繊維は、有機物を使用した断熱材。
代表的な例としては、羊毛繊維の羊毛断熱材や木材から作られるセルロースファイバーが挙げられます。
天然素材のメリットは、内部に小さな空気の粒があるため防音や吸湿性にも優れていることです。
防音性が高ければ、近隣への生活音を抑えると同時に外からの騒音を防げます。
吸湿性が高ければ、湿気や結露による腐食を防ぐ効果が期待できます。
また、有害物質が含まれていないことも特徴の1つです。
敏感な体質の方やアレルギーが心配な方、赤ちゃんなど小さな子どものいる家庭におすすめです。
デメリットは、価格が高いこと。
無機繊維と比べると、2~4倍の金額になります。
防虫効果も低いため、シロアリやゴキブリの発生を許してしまうことも。
しかし、最近はホウ酸が配合された断熱材もあるため、虫が心配な方は施工業者に相談すると良いでしょう。
③屋根の補修も行うなら「断熱塗料」
断熱材を取り付ける際に屋根の修理も行うなら、断熱塗料がおすすめ。
断熱塗料は、太陽光を反射してくれる着色顔料が入った特殊な塗料です。
屋根に塗ることで、表面の温度が下がり室内温度の上昇を抑えるという仕組み。
他の断熱材は建築材の補修効果がないため、劣化すれば補修工事をする必要があります。
しかし、断熱塗料には建築材の補修効果もあるため、別で補修工事をする必要がないのも嬉しいポイントです。
デメリットは、他の断熱材よりも価格が高いこと。
無機繊維と比べると、2~5倍の金額です。
また、断熱効果も低く、暖かい空気を保温する効果はあまりありません。
冬は太陽光を反射してしまい、室内が寒くなってしまう可能性があります。
④湿気を抑えるなら「発泡プラスチック」
湿気を抑えたいなら、発泡プラスチックがおすすめです。
発泡プラスチックとは、文字通りプラスチックを葉っぽいさせて気泡を作り出した断熱材のこと。
発泡プラスチック系で代表的なものは、硬質ウレタンフォームやビーズ法ポリスチレンフォーム(EPS)が挙げられます。
発泡プラスチックの断熱材の特徴は、湿気を抑える効果だけではありません。
薄くて軽いため、効率的に断熱が可能というメリットも持ち合わせています。
デメリットは、無機繊維よりも少々値段が高いこと。
価格は、無機繊維の約2倍です。
また、素材の種類によっては燃えた際に有害物質が発生する可能性があります。
発泡プラスチックを使用して施工する場合は業者に素材のメリットやデメリットをよく確認しておきましょう。
屋根断熱には火災保険を活用できる可能性も
屋根断熱の工事をする際、少しでも費用を抑えたいと思いませんか?
屋根断熱には、火災保険が活用できる可能性があります。
火災保険と言うと、火事の被害に遭った場合のみが適応されると思いがち。
しかし、台風や地震など自然災害の影響を受けた結果、修理が必要となった場合に適応されることがあります。
どこまで保険が適応されるのかなど、条件は契約内容により異なります。
火災保険の契約内容をあらかじめ確認しておきましょう。
また、自然災害の被害に遭ってから時間が経つと、保険の適応外となってしまうこともあります。
屋根断熱の工事が必要になったら、なるべく早く保険会社に連絡してください。
火災保険の申請の際には、申請サポート業者を利用するのがおすすめです。
屋根断熱はDIYできる?
屋根断熱の施工は、断熱材がずれたり落ちてしまう可能性が低いため、床や壁の工事と比べると気軽にできます。
断熱材自体も防湿フィルムの袋に入っているものがあり、繊維も散りにくくそのまま使用できます。
あまり難しい作業ではないため、普段からDIYを趣味として行っている方ならできるでしょう。
しかし、素人がDIYするには少々危険です。
屋根断熱の工事は、天井板や梁、屋根の上に登って作業をします。
高所での作業になるため、事故の危険性もありおすすめできません。
断熱材の種類によっては、繊維に触れると肌に痒みが出るものもあります。
万が一、天井板や梁から足を滑らせて落下すると大事故になりかねないため、プロの業者に依頼するのが無難です。
屋根断熱を業者に依頼する際の注意点3選
ここでは、屋根断熱を業者に依頼する際の注意点を3つ紹介します。
- 複数の業者から見積もりを取る
- 自宅に適した断熱塗料を選ぶ
- 換気扇を設置して断熱性能を高める
屋根断熱の工事は、DIYではなく業者に依頼するケースが大半です。
業者はプロですから、お任せしてしまってもしっかりと仕事をこなしてくれるでしょう。
しかし、良い業者ばかりとは限りません。
良い業者に工事を依頼するためには、複数社から見積りを取ることが大切です。
必ず1社ではなく複数社に見積りを依頼して、条件に合う工事内容を選びましょう。
①複数の業者から見積もりを取る
屋根断熱の工事をプロの業者に依頼する場合は、1社ではなく複数社に見積りを依頼しましょう。
1社のみだと、他社との値段やサービスの違いに気付けないからです。
複数社に見積りを依頼すれば、工事内容や価格を比較できます。
また、サービス内容が希望に合うかなども確認することができます。
複数社の見積りを見比べることで、悪質な業者に騙されることはありません。
あまりに安すぎる業者は、手抜き工事をする恐れがあるため注意してください。
複数社から見積りを取った際、価格だけで業者を選ぶのはやめましょう。
②自宅に適した断熱塗料を選ぶ
値段やサービス内容も大切ですが、自宅に適した断熱塗料を選ぶことも重要です。
数ある断熱塗料の中でも、おすすめはガイナです。
ガイナは、日本の宇宙ロケットの開発技術を応用して作られた塗料です。
宇宙ロケットは打ち上げした直後、非常に高温になります。
高温に耐えられるガイナは、非常に優秀な断熱塗料と言えるでしょう。
他の断熱塗料は住宅のためだけに作られていますが、ガイナに関しては比べ物にならないほど高性能。
信頼と実績が高い断熱塗料と言えば、ガイナと言っても過言ではありません。
③換気扇を設置して断熱性能を高める
屋根裏に換気扇を設置すれば、断熱性を高めることが可能です。
熱のこもった空気は、屋根裏から天井を通り室内に流れ込みます。
そのため、換気がされていないと室内が暑くなり、クーラーをつけるなど電気代が上がってしまいます。
断熱工事をする際は、換気扇の設置も並行して行いましょう。
業者は、いくつもの工事を行ってきたプロです。
見積りの段階で、断熱性を高める工夫やあなたの家に合った工事方法などを確認するのも一つです。
換気が上手くできれば、夏の湿気や冬の結露を回避できるかもしれません。
建築材の腐食の防止にもなるため、屋根裏には換気扇を設置することをおすすめします。
まとめ:屋根断熱を安く行うなら火災保険を利用しよう
屋根断熱は、居住空間を開放的にするだけではなく、暑さ対策にも有効です。
室内を快適な温度に保つためにも、屋根断熱を採用してみてはいかがでしょうか。
しかし、実際に工事をする際、気になるのはお金のこと。
良い素材を使用すれば高額になりますが、火災保険が適応されれば安く工事ができます。
今一度、加入している火災保険の契約内容を確認しましょう。
もし、屋根断熱の施工で火災保険申請をご自分で行うのが難しければ、火災保険申請サポートのプロである「修復ナビ」を利用するのがおすすめです。
火災保険の申請は複雑な専門知識が必要なため、ご自身で給付金請求を行うと、見落としや間違いが発生する可能性もあります。
スムーズな申請と最大限の給付金を受け取るには、プロの力を借りるといいでしょう。
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