火災保険で屋根の修理費用を請求できる?屋根被害例を挙げて解説!

台風や竜巻、豪雪など、自然災害によって屋根が損傷する場合あります。こうした事態に備えて、多くの方が火災保険に加入されているのではないでしょうか。

ところが、いざ災害で屋根が損傷し修理が必要になったときに、火災保険の保険金を請求できるのかどうか迷ってしまう方もいます。その結果、本来なら火災保険の保険金を請求できる状況であるにもかかわらず、適切な補償を受けていない方もいるでしょう。

そこで今回は、屋根が損傷して修理が必要になったとき、火災保険の保険金を請求できるのかどうかについて、詳しく解説します。

具体的な事例を交えながらわかりやすく説明しています。屋根の修理費用を火災保険の給付金でまかなえるか悩んでいる方は、ぜひ最後までお読みください。

目次

結論:火災保険の給付金による屋根修理は可能!

結論:火災保険の給付金による屋根修理は可能!


一般的に屋根の損傷は火災保険の補償範囲に含まれるので、給付金を申請すれば無料で屋根を修理できます。以下では、火災保険で屋根修理が可能な理由などについてご説明します。

火事や災害による屋根被害は火災保険の補償範囲

家が燃えてしまう火災や突風や台風などの災害によって屋根がダメージを受けた時には、一般的に火災保険の補償対象になるため給付金を申請できます

火災保険の契約内容は保険会社によって異なるので、念のため確認しておく必要があります。もし補償対象になっていれば火災保険の給付金を請求できるでしょう。

火災保険が適用される災害の種類

火災保険は、火災だけでなく、様々な自然災害によって生じる屋根の損傷もカバーしてくれるのをご存知でしょうか。

例えば、以下のようなケースで屋根に損害が生じた場合、火災保険の補償を受けることができます。

  • 強風や暴風雨によって屋根の一部がはがれてしまった
  • 大雪の重みで屋根が一部壊れてしまった
  • 落雷によって屋根にひび割れや穴があいた
  • 雹(ひょう)が降って屋根にへこみができた

これらの自然災害は突如発生するため、屋根の修理費用は予算外の出費となる場合が多いものです。

しかし、火災保険に加入していれば、屋根を含む住宅の様々な部分の損傷について、保険金を請求することが可能です。

屋根の修理費用は火災保険で全額賄える?

屋根の修理費用は火災保険で全額賄える?

火災保険で屋根修理費用が全額補償されるかどうかは、屋根の被害状況や契約の内容によって変わります。

火災保険の適用範囲内であれば火災保険の給付金での修理が可能です。しかし、保険の契約内容や損害の程度、修理の方法などによっては、修理費用が給付金よりも高くなる可能性があります。

以下の表は、屋根修理の主な工事の種類と費用相場です。

工事の種類費用相場補足説明
葺き替え100~240万円既存の屋根材を撤去し、新しい屋根材に交換する工事
葺き直し70~150万円既存の瓦を順番にめくりながら、その瓦を再度留め付ける工事
カバー工法80~150万円既存の屋根材の上に新しい屋根材を重ねる工事
塗り替え40~80万円表面塗装が劣化して色落ちした屋根材に塗料を塗る工事
部分補修10万円以下ひび割れや穴などの部分的な損害を補修する工事

ただし、上記はあくまで目安であり、実際の費用は屋根の形状や面積、使用する材料、施工業者などによって異なります。

したがって、実際に業者に屋根修理を依頼する際には、複数の業者から相見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。

火災保険で屋根の修理費用が支払われる条件

火災保険で屋根の修理費用が支払われる条件

火災保険で屋根の修理費用が支払われるためには、満たさなければいけない条件があります。ここでは、火災保険の給付金を請求できる条件を4つお伝えします。

  • 保険契約の補償内容に屋根が含まれている
  • 屋根の損傷が災害によって発生したものである
  • 被害から3年以内に給付金の請求をしている
  • 屋根の修理費用が免責金額を超えている

それぞれ詳しく解説します。

保険契約の補償内容に屋根が含まれていること

自然災害による屋根のダメージが補償の範囲に入っていることが、給付金を申請できる条件になります。契約内容に屋根の損害が含まれていない場合、自然災害による損害であっても給付金を受けとれません。

ただし、基本プランで屋根の損害が補償されない場合も、追加の特約をつけることで幅広い原因による屋根の損傷をカバーすることが可能です。

追加の特約によって、強風、ひょう、落雷、破裂、爆発などが原因で生じた屋根の損傷について、修理費用を請求できるようになる場合もあります。

ほとんどの場合、基本プランに屋根の損害が補償されますが、被害原因によっては補償されない場合があります。そのため、火災保険に新規加入する際や更新する際は、ご自身の契約内容を確認することが重要です。もし屋根の損害補償が不十分だと感じた場合は、保険会社の担当者や保険の専門家に相談し、特約の追加を検討してみるのもよいでしょう。

屋根の損傷が災害によって発生したものであること

屋根の損傷が災害によって発生したものであること

屋根の修理費用を請求できるのは、屋根が破損した原因が自然災害である場合です。そのため、給付金を請求するには、損傷の原因が自然災害によるものであることを証明する必要があります。

具体的には、以下のような原因による損害であったことが証明できれば、給付金を受け取れる可能性が高くなります。

  • 火災、落雷、暴風雨、豪雪など自然災害
  • 爆発事故、航空機事故など人的災害
  • 上記災害の影響で周辺から飛来したものによる損害


屋根の損傷が上記のいずれかの原因で起きたことを示すには、写真、天気のデータ、目撃者の話などを集める必要があります。状況によっては、保険会社から詳しい損害報告書の提出を求められるケースもあるでしょう。

被害から3年以内に給付金の請求をしていること

火災保険の給付金を受け取るためには、被害から3年以内に給付金の請求を行う必要があります。

火災保険には給付金を請求できる期限が設けられており、この期限は保険法95条第1項により、被害が発生してから3年以内となっています。この期限を過ぎてしまうと、たとえ自然災害による被害であっても、保険会社から給付金を受け取れなくなります。

災害によって瓦が飛んでしまったなどの場合には、できるだけ早く給付気を申請するのが望ましいといえます。

屋根の修理費用が免責金額を超えていること

免責金額とは、保険契約者自身が負担する金額のことを指します。したがって、屋根の修理費用が免責金額よりも低い場合、保険会社からの給付金を受け取れません。

例えば、屋根の一部に損傷が生じ、その修理費用が10万円だったとします。しかし、加入中の火災保険の免責金額が20万円に設定されていた場合、修理費用が免責金額を下回っているため、保険金の給付を受けることはできません。

火災保険を使って屋根の修理費用を補償してもらうためには、修理費用が免責金額を上回っている必要があるのです。

つまり、火災や台風などの大規模な災害によって屋根に深刻な損傷が発生した場合の方が、保険金の給付を受けられる可能性が高くなる、ということがいえるでしょう。

火災保険の給付対象となる屋根のダメージの例

火災保険の給付対象となる屋根のダメージの例

火事に限らず自然災害など様々な災害による屋根の損傷も、火災保険の契約内容によっては補償対象となります。具体的にどのような被害が火災保険の給付対象になるのか、ご自宅の屋根で当てはまるものがないか確認してみましょう。

強風で屋根の棟板金がはがれた

強風で屋根の棟板金が剥がれてしまった場合、火災保険の補償が適用される可能性があります。棟板金とは、屋根の頂上部分を覆う金属製の部材で、雨水の侵入を防ぐ重要な役割を担っています。これが欠損すると、雨漏りなどの深刻な問題につながるため、早急な修理が必要不可欠です。

台風によって瓦が浮く・飛ぶ

台風のもたらす強風は、屋根瓦に大きなダメージを与えます。瓦が浮いたり飛ばされたりすることで、屋根の防水性能が大幅に低下します。こんなとき、火災保険を活用すれば修理費用を捻出できる可能性があるでしょう。

強風で飛んできたものが屋根に当たり瓦が割れる

強風で飛ばされた物体が屋根に衝突し、瓦が割れるケースもよくあります。予測が難しい突発的な事故ですが、火災保険を活用すれば、修理や瓦の交換費用をまかなえる可能性があるでしょう。

雨どいが曲がった・破損した

強風や大雨、雪などの自然災害で雨どいが曲がったり破損した場合、火災保険で補償される可能性があります。また、雨どいの損傷により屋根が損傷した場合も、補償対象となることがあります。

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瓦の割れによって雨漏りが発生した

瓦の割れによって雨漏りが発生した

自然災害で瓦が割れて雨漏りが始まったら、火災保険の補償が適用される可能性があります。雨漏りを放置すると天井や壁、床などの内装に深刻なダメージを与えかねないので、早めに給付金を請求したいところです。

その他の火災保険の給付対象となる屋根の損害の例

ここまでに紹介した以外に、火災保険の補償範囲である屋根のダメージの例として、以下のようなものが挙げられます。

  • 雪の重みによる屋根の崩落や損傷
  • 屋根に落ちた雹(ひょう)による損傷
  • 火山の噴火による降灰や噴石で屋根が損傷した場合
  • 屋根に積もった雪や氷の重みで雨どいが外れたり、破損したりした場合
  • 屋根に接触した電線の損傷による火災や焼損
  • 屋根裏に侵入した小動物によるケーブルの損傷や断線

保険会社や契約内容によっては、これらの損害が火災保険の補償範囲に含まれる可能性があります。

詳細については、加入している火災保険の約款を確認するか、保険会社に直接問い合わせるようにしましょう。

屋根の修理で火災保険の給付金が支払われないケース

屋根の修理で火災保険の給付金が支払われないケース

屋根の修理費用が火災保険の補償対象にならない場合もあります。

  • 経年劣化による損害の場合
  • 屋根の被害が故意によるものである場合
  • 修理業者の施工不良による損害の場合

それぞれについて詳しく解説していきます。

経年劣化により屋根の修理が必要になった場合

経年劣化による屋根の損傷は、火災保険の補償対象外です。なぜなら、火災保険は突発的な事故による損害を補償するものであり、自然な劣化は対象外だからです。経年劣化を理由に給付金を請求すると、詐欺行為とみなされる恐れがあるので注意が必要です。

経年劣化によってダメージを受けた屋根の修理を考える場合、まずは自費での修理を検討するのが一般的です。ただし、損害が経年劣化以外の要因によって屋根が壊れたと思われる場合は、保険会社に火災保険の給付金申請が可能かどうか相談してみると良いでしょう。

故意による被害で屋根の修理が必要になった場合

故意による被害で屋根の修理が必要になった場合

屋根の被害が故意によるものである場合、火災保険の給付金は支払われません。

火災保険は、火災や自然災害など予期せぬ事故による損害を補償するものです。そのため、保険契約者自身が故意に損害を引き起こした場合、給付金の給付対象外となるためです。

例えば自ら屋根を破壊したといった行為は、明らかに故意の損害と判断され、給付金の給付対象外となります。

また、悪質なリフォーム業者などの中には、家屋を故意に破壊し給付金申請することを進めてくる業者が存在します。こういった業者にかかわらないように注意が必要です。

業者の施工不良による損害で修理が必要になった場合

リフォーム業者の工事ミスが原因で屋根に損傷が生じた場合、一般的に火災保険の補償対象にはなりません。施工不良による損害は人為的なミスと見なされ、火災保険の補償範囲外と判断される場合が多いからです。

具体的には、以下のような施工不良に起因する損害は給付金の対象にはなりません。

  • 工事の過程での不手際
  • 材料の選定ミス
  • 設計の誤り

このようなトラブルを避けるためにも、信頼できる優良業者を選ぶことが大切です。

火災保険での屋根修理の流れ

火災保険での屋根修理の流れ

火災保険での屋根修理の流れは以下の通りです。

  • 修理業者を選定する
  • 保険会社に連絡する
  • 火災保険の申請に必要な書類をそろえる
  • 保険会社による現地調査が行われる
  • 給付金が支払われる
  • 修理工事を依頼する

それぞれについて解説していきます。

修理業者を選定する

修理業者選びの際は、実績や評判をしっかり確認することが大切です。友人や近所の人からの紹介があれば、それを参考にするのもおすすめです。複数の業者から見積もりを取り、価格だけでなく、工事内容や保証体制なども比較検討しましょう。

保険会社に連絡する

屋根の損害発生後、速やかに保険会社に連絡し損害の原因や状況、修理費用の見積もりを伝えます。保険会社からの指示に従い必要書類を提出しましょう。自身の火災保険契約内容を確認し、正確な情報を伝えることが重要です。

火災保険の給付金申請に必要な書類をそろえる

火災保険の申請には、以下の書類やデータが必要です。

  • 保険証券のコピー
  • 修理見積書
  • 業者からの明細書
  • 損害状況を証明する写真や動画

これらの書類を揃え、保険会社に提出することで、給付金を受け取るための手続きがスムーズに進みます。

現地調査が行われる

現地調査が行われる

書類提出が完了すると、保険会社は現地調査を行い屋根の損傷状況を確認します。専門家による評価で、火災保険の適用範囲と修理費用が見積もられ、給付金の額が決定されます。

給付金が支払われる

保険契約内容を確認し、給付対象となる損傷の有無を検証します。保険会社へ申請し、調査を受けた後、調査結果が承認されると給付金の支払いが決定します。

修理工事を依頼する

給付金が振り込まれたら、見積もりを取った業者に正式に修理工事を依頼しましょう。なお、損傷が深刻な場合は、保険会社の承認を得れば、給付金の入金を待たずに工事に着手することも可能です。

火災保険の給付金で屋根を修理する際の注意点

火災保険の給付金で屋根を修理する際の注意点

火災保険で屋根を修理する際には、以下の注意点に気を付ける必要があります。

  • 故意に屋根を破壊した場合は給付金の対象外である
  • 雨漏りの放置はシロアリの発生原因になる
  • 悪徳保険申請代行業者に注意する
  • 給付金の受取に時間がかかる場合がある

それぞれについて詳しく解説していきます。

故意に屋根を破壊した場合は火災保険の給付金の対象外である

先述しましたが、故意による屋根の損害は火災保険の補償対象外です。

火災保険は不測の事故や災害から生じた損害のみを補填するためのものです。保険契約者自身が故意に引き起こした損害については、給付の対象とはなりません。給付金請求が認められるためには、損害発生の経緯や状況を詳細に記録し、適切な証拠を残しておくことが不可欠です。

さらに、あえて故意に損害を与えた上で給付金請求を行うと、詐欺罪に問われる可能性があります。

故意による損害は明確に補償対象外であり、さらには詐欺行為として罰せられるリスクがあるので、行わないようにしましょう。

ちなみに、経年劣化した屋根の損傷に対して給付金を請求するのも、詐欺行為に該当するので行ってはいけません。

雨漏りの放置はシロアリの発生原因になる

屋根の雨漏りを放置することは、シロアリの発生原因となる可能性があります。

雨漏りにより家の構造材に湿気が残り、シロアリが活動しやすい環境になるためです。一旦シロアリに侵されると、駆除や補修に多大な費用と時間がかかり、被害範囲も広範囲に及ぶことがあります。

そのため、火災保険による屋根修理の際には、雨漏りの早期発見と適切な対策が不可欠です。早期対応によって、シロアリ発生を未然に防ぎ、将来の大きな損害を避けられるでしょう。

悪徳保険申請代行業者に注意する

悪徳保険申請代行業者に注意する

火災保険による屋根修理の際は、悪質な保険申請代行業者に注意が必要です。こういった業者は、不正に給付金を得るために、次のような行為に及ぶことがあります。

  • 被害者を装い、保険会社に虚偽の申請を行う
  • 修理費用を不当に水増し請求する

特に災害発生直後は、混乱に乗じてこれらの業者に狙われるリスクが高まります。業者から突然リフォームや修理を勧められ、屋根の一部を意図的に壊すよう指示される場合もあります。

業者の指示通りに行動してしまうと、知らず知らずのうちに詐欺罪に問われかねません。絶対に業者の不審な働きかけには従わないよう気を付けましょう。

給付金の受取に時間がかかる場合がある

火災保険の給付金を申請してから受け取るまでの時間は、審査の内容や損害の規模によって異なります。一般的には調査から1か月程度で受け取れる場合が多いですが、状況によっては3か月ほどかかることもあります。

具体的には、以下のような状況が発生すると、給付金の支払いまでに時間がかかる場合があるでしょう。

  • 必要書類の不備があり、修正や追加提出が必要な場合
  • 保険会社による現地調査が必要な場合
  • 火災原因の特定が困難で、証拠写真などの提出が求められる場合

このような状況下では、保険会社が給付金の支払いに関する判断を下すまでに時間がかかり、その結果、給付金の受け取りに時間がかかってしまいます。

給付金を速やかに受け取るためには、申請時に必要書類や証拠写真を漏れなく提出し、保険会社の担当者が審査をスムーズに進められるようにすることが大切です。

また、担当者から問い合わせがあった際には、火災発生時の状況を明確かつ詳細に説明し、担当者が経緯を正確に理解できるように努めることが重要です。これらの対応を的確に行うことで、給付金の受け取りまでの時間を短縮することができるでしょう。

火災保険の給付金での屋根修理費用についてのまとめ

火災保険の給付金での屋根修理費用についてのまとめ

台風や雪災などで屋根が破損した場合、火災保険を適用することで無料で修理できる可能性があります。屋根の損傷を放置すると雨漏りからのシロアリ発生など、さらなる被害につながる可能性があります。

給付金を適切に申請すれば、修理費用の全額もしくは一部分を給付金で補える可能性があるので、屋根の損傷が発生した場合は火災保険を利用すると良いでしょう。

給付金申請時には、適切な書類を用意し、損傷箇所の写真や動画などの被害状況が確認できるデータを用意する必要があります。また、保険会社の担当者から問い合わせがあった場合、発生した火災や災害と屋根の損傷の因果関係を証明する必要がある場合もあります。

これらの手順が必要なため、知識や経験がないと給付金申請時は難易度が高いのも事実です。そのため、給付金の申請時には信頼できる火災保険申請サポート業者に依頼し、サービスを受けるのも一つの手です。

火災保険申請サポート業者の「修復ナビ」は、申請手続きから修理工事まで一貫してサポートしています。
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