今回の記事では、耐震リフォームについて徹底解説します。
地震はいつ起こるかわかりません。
大きな地震災害が起こる度に「わが家も耐震リフォームすべきだ」と感じている方は多いはずです。
安全な住宅にするためには耐震リフォームは必須。
特に、古い住宅に住んでいる方は早期に耐震工事を行うことが推奨されています。
耐震リフォームを施して今後の生活を安心して送りましょう。
本記事では、耐震リフォームの基礎知識から費用、業者の選び方についても紹介しています。
また、耐震リフォームが必要な家の特徴も紹介するので、当てはまった方は早急に耐震リフォームを検討した方がいいかもしれません。
ぜひこの記事を参考にして、これからも安心して生活ができる自宅にしてください。
なお、耐震リフォームの費用を少しでも安くしたい場合は、火災保険の給付金の利用を検討しましょう。
火災保険の給付金は使い道が自由であり、申請サポート業者を利用すれば、簡単に申請できます。
耐震リフォーム工事とは
そもそも、耐震リフォーム工事とは今後起こり得る自然災害から自宅を守るために行う工事のことです。
一戸建てやマンションに問わず、自宅の補強や改修工事が耐震リフォーム工事の内容。
また、耐震リフォーム工事を行う前には必ず専門家による耐震診断のチェックが入ります。
この耐震診断の結果に基づき耐震工事の必要性、家の劣化状況、工事の工法の選択などが判断されます。
自宅の耐震性が心配な方は、まずは耐震診断の依頼をしてみましょう。
耐震診断ってなに?
耐震診断とは、今後起こり得る大地震に対して自宅が倒壊しないか、その際どの程度耐えられるのかを判断するものです。
専門家によって建物の設計図などの資料から情報を集める予備調査を行い、その上で現地調査を実施。
耐震診断にかかる日数はおよそ2~3週間、現地調査は半日程度で終わることが多いです。
費用相場は、木造住宅の場合でおよそ10万~20万円。
現地調査で見るポイントは、住宅の基礎、壁、地盤の形状や種類、敷地周辺状況など建物全体像です。
その他には増改築部分、修復箇所などを目視でチェックし、それから耐震改修計画へと進む流れになります。
耐震リフォーム工事を行う上で最も重要な部分が耐震診断ですので、実績と信頼のある専門家に依頼するようにしましょう。
耐震・制震・免震の違い
地震の揺れに耐えられる家へ強化させるには補強工事が必須。
耐震リフォームで行う補強工事には主に耐震・免震・制震の3つがあります。
似ている言葉ですが、それぞれ役割は違うもの。
耐震リフォームを検討されている方は、まずはそれぞれの構造の違いを押さえましょう。
その上で、自宅に合う耐震工事選びの参考にしてください。
耐震
耐震構造、耐震工法と呼ばれるものは、建物の骨組み部分(柱、壁、梁など)を強化させて揺れに耐える住宅にすることです。
具体的には、地震の揺れに強い耐力壁を用いる、耐震性を強化させるために柱の間に斜めに筋合いを入れるなど。
耐震工事の中で最も用いられる工法でもあります。
免震
免震とは、振動による建築物や家具などの倒壊を防ぐ構造のことです。
地面と建物の間に免震装置を設置し、地震の揺れが建物に伝わるのを防ぐのが大きな特徴。
緩衝効果により建物自体だけでなく、建物の中のダメージも最小限に抑えられます。
制震
制震とは、骨組みや壁などの接合部にゴム素材を設置したり建物内部にダンパーなどを組み込んだりして揺れを吸収させる構造のことです。
耐震より揺れに強く、高層マンションやビルなどの倒壊を防ぐ役割も。
地面に直接建てるため地盤によっては揺れに弱くなる欠点もあるため、入念な耐震診断が必須となります。
耐震リフォーム(補強/改修)工事をした方がいい家の特徴
ここからは、耐震リフォームをした方がいい家の特徴を3つ紹介していきます。
この内容を確認しながら自宅をセルフチェックして、当てはまる場合は耐震リフォームを検討してみてください。
耐震リフォームした方がいい家の特徴は主に次の3つ。
・築30年以上経っている
・過去に被災したことがある
・家に劣化している箇所がある
それぞれの理由について見ていきましょう。
耐震リフォーム(補強/改修)工事をした方がいい家の特徴1:築30年以上経っている
築30年以上経過した家、特に1981年(昭和56年以前)に建築された住宅は耐震基準を満たしていない可能性が高いです。
昭和53年(1978年)に起きた宮城県沖地震の際に多くの住宅が被害に遭ったことから、昭和56年6月1日に「新耐震基準」が制定されました。
旧耐震基準は震度5程度が規定でしたが、新耐震基準では震度6以上へと基準を引き上げています。
もし、旧耐震基準で建築されている場合は、倒壊のおそれがあるため早急に耐震リフォームを検討してください。
耐震リフォーム(補強/改修)工事をした方がいい家の特徴2:過去に被災したことがある
現在住んでいる地域または周辺で、過去に大きな地震による被災経験がある場合も注意が必要。
大丈夫に見えているとしても、大きな揺れや余震によって基礎にズレやひび割れを生じている場合があります。
台風や洪水の被害により木材や金具が腐朽している場合もあるので、いかなる災害も見逃さないようにしてください。
耐震リフォーム(補強/改修)工事をした方がいい家の特徴3:家に劣化している箇所がある
家の外観や内部に劣化が見られる場合も災害時に弱点となってしまいます。
例えば、引き戸や窓にすき間がある、壁にヒビ割れのようなものが見られる、天井や壁に変色が見られるなど。
補強工事を行った形跡がない住宅は、1度専門家の目で耐震診断チェックをしてもらいましょう。
なお、耐震リフォームの費用を少しでも安くしたい場合は、火災保険の給付金の利用を検討しましょう。
火災保険の給付金は使い道が自由であり、申請サポート業者を利用すれば、簡単に申請できます。
耐震リフォーム(補強/改修)工事っていくらかかるの?費用の相場を紹介
ここでは、耐震リフォーム工事にかかる費用について紹介していきます。
もちろん住宅ごとに工事費用は変わりますが、木造住宅か鉄筋コンクリート住宅かで大まかな費用相場はわかります。
また、耐震リフォーム工事の費用相場は、鉄筋コンクリート住宅の方が高くなる傾向。
詳しい工事の方法は後半に紹介しますので、まずは木造住宅と鉄筋コンクリート住宅それぞれの耐震リフォーム工事の費用相場を見ていきましょう。
耐震リフォーム(補強/改修)工事の費用相場:木造住宅の場合
木造住宅の耐震リフォーム工事の費用相場は100万~150万円前後です。
補強箇所が少なければ25万円程度で済む場合もありますが、平均120万円程度だと考えておいた方がいいでしょう。
築年数、工事方法、建築規模により増減があり、リフォーム工事も行う場合は費用が加算されます。
また、木造2階建て以下の住宅に対しては各自治体からの補助金が利用できるかもしれません。
例として、東京都板橋区の場合は上限100万円まで補助されます。
特に昭和56年5月31日以前に建築された住宅に対しては、耐震診断を無料で行う自治体が多いです。
当てはまる可能性がある方は自宅の建築年月を確認しましょう。
耐震リフォーム(補強/改修)工事の費用相場:鉄筋コンクリート住宅の場合
鉄筋コンクリート住宅の場合、耐震リフォーム工事の費用相場は500万円~3000万円と幅があります。
木造住宅の5倍以上の工事費用がかかる理由は、耐震工事の工法が全く異なるため。
主に制震ブレースと呼ばれるコンクリートの増打ち工事、コンクリートの柱を強化させる炭素繊維シートを巻くといった工法が使われます。
補強箇所が少ない場合は50万円程度、簡易的な工法を選べば100万円程度で済むこともありますが、予算や耐震強度をよく検討して判断しましょう。
いずれも自治体に相談して耐震診断を行い、その上でかかる費用や補助金との折り合いを付けていくことをおすすめします。
一戸建ての場合の耐震リフォーム(補強/ 改修)工事の方法は?それぞれにかかる費用も紹介
耐震リフォームといっても工事方法はさまざま。
住宅の基礎から見直したい、簡易的な地震対策を行いたいなど、目的や予算によっても工事方法は変わります。
ここでは、一般的に用いられる次の補強工事の種類をまとめました。
耐震リフォーム工事の内容は以下の5つ。
・建物の基礎の補強工事
・接合部の補強工事
・屋根の補強工事
・壁の補強工事
・耐震シェルター
ここからは、耐震リフォーム工事の事例、費用相場とともに詳しく紹介していきます。
それぞれの工事の内容を把握して自宅に合った耐震リフォーム工事を選んでください。
耐震リフォーム(補強/ 改修)工事の方法その1:建物の基礎の補強工事
古い木造住宅に多い欠陥が、建物の基礎が不安定ということ。
玉石に柱を乗せただけの基礎に対しては、基礎のすき間や不安定な柱を強化させるコンクリートでの補強工事を行います。
コンクリートを使った基礎の補強工事の費用相場は2~3万円/m程度。
近年では、ひび割れ修復や基礎の強化のためにアラミド繊維シート、タックダインと呼ばれる材料を用いたハイブリッド工法も選ばれています。
この工法は、基礎に引張効果があるアラミド繊維シートを貼り付け、半永久的な補強が可能になるタックダインを塗布するという工事方法。
事例として、ハイブリッド工法を用いたA社の相場費用は17,000円/mです。
さまざまな工法の中から選ぶことで安くなる可能性があるので、業者と相談して検討していきましょう。
耐震リフォーム(補強/ 改修)工事の方法その2:接合部の補強工事
住宅で重要となる柱、梁、壁などの接合部が弱い場合も耐震工事が必要になります。
柱と土台を専用の金具やボルトでつなぎ合わせる、筋交いで補強をして耐震を行った場合の相場費用は1箇所につき約3,000円。
事例として、築20年を超えた住宅の1階2階を耐震リフォームした場合は約130万円程度がかかっています。
築30年以上の費用相場は約160万円以上と考えておきましょう。
耐震リフォーム(補強/ 改修)工事の方法その3:屋根の補強工事
地震対策として屋根の軽量化もぜひ検討しましょう。
重い土瓦やセメント瓦の屋根は住宅に負担をかけ、古い木造住宅は地震の際に倒壊するおそれがあります。
瓦屋根から軽い屋根材へと耐震リフォームした場合の相場費用はおよそ1万円/㎡。
事例として、築20年の住宅を耐震リフォームした場合は約150万円がかかりました。
屋根の軽量化は約100万~150万円を目安と考えておきましょう。
耐震リフォーム(補強/ 改修)工事の方法その4:壁の補強工事
大地震に耐える住宅へ強化するには壁の補強工事も重要です。
特にガラス窓や開口部が多い住宅は地震に弱いため、壁を増設することがおすすめ。
耐震パネルを貼り、壁を強化させる補強工事を行った場合の費用相場は約12万円/箇所です。
事例として、築40年の住宅1階2階の壁に耐震パネルを設置した場合の費用は約140万円でした。
住宅の規模や工法により費用は増減しますが、およそ30万~150万円と見積もっておきましょう。
耐震リフォーム(補強/ 改修)工事の方法その5:耐震シェルター
耐震シェルター工事とは、万が一に備えて家の中に安全な一室を設けること。
家全体を耐震化するよりコスパが良く、寝室やリビングを耐震シェルターにしている方も少なくありません。
簡易的に設置するだけの耐震シェルターもありますが、一室を丸ごと耐震シェルター化する場合は鉄骨を組み込んだ耐震工事が進められます。
耐震シェルターの相場費用は3帖あたり約130万円。
実例として、築25年の木造住宅の一室を耐震シェルター工事をした場合の費用は約140万円でした。
耐震シェルターは住みながら工事を進めることができるので、住み替えの必要はありません。
耐震リフォームの事例を見て依頼する業者を選ぶ
ここまでの内容から耐震リフォームの必要性を感じた方は、信頼できるリフォーム工事業者を選べるようになっておきましょう。
業者によって工事方法や費用が異なるため、依頼する際には会社のホームページを見て過去の耐震リフォーム事例を確認することが大事です。
事例を元にしながら予算に合う見積もりを立ててください。
依頼する際に注意したいのが、耐震診断を無料で行うと言って近づいてくる悪質リフォーム業者による詐欺行為です。
電話やチラシ、訪問営業を行う業者には気をつけてください。
中には耐震診断を行わずに「ここを直さないと危険だ」などと工事契約を取り付けてくる詐欺業者もいます。
「補助金が出る」などと言って騙し取る悪質業者もいますので、必ずホームページがあるか確認をしてください。
自治体に業者を紹介してもらうことが、安心して依頼できるおすすめの方法です。
自宅の耐震性を強化して安心できる生活を送ろう
地震大国である日本はいつ大きな災害が起こるかわかりません。
自宅に不安がある方は、早めに耐震リフォーム工事を行うことをおすすめします。
工事を行えば大きな費用がかかりますが、自治体の補助金でまかなえるケースもあるのでぜひ相談を行いましょう。
耐震性を強化させることは家だけではなく家族を守ることにつながります。
まずは耐震診断を行い、その上で具体的な耐震工事を検討していきましょう。
なお、耐震リフォームの費用を少しでも安くしたい場合は、火災保険の給付金の利用を検討しましょう。
火災保険の給付金は使い道が自由であり、申請サポート業者を利用すれば、簡単に申請できます。
もし、耐震リフォーム工事で火災保険申請をご自分で行うのが難しければ、火災保険申請サポートのプロである「修復ナビ」を利用するのがおすすめです。
火災保険の申請は複雑な専門知識が必要なため、ご自身で給付金請求を行うと、見落としや間違いが発生する可能性もあります。スムーズな申請と最大限の給付金を受け取るには、プロの力を借りるといいでしょう。
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