「火災保険とはその名の通り火災でしか使えないのでは…」
そう思っている人も多いことでしょう。
火災保険が適用されるのは、火災だけではありません。
自然災害や、不測かつ突発的な事故による損害も補償されます。
あなたが思っているよりも火災保険の補償範囲は広く、家屋や家電のみではなく、「擁壁(ようへき)」が崩れた際にも補償を受けられる可能性があるのです。
この記事では、下記について詳しく解説します。
- 擁壁が崩れた際に火災保険で補償されるケース
- 崩れやすい擁壁の特徴
- 倒壊する前に擁壁の状態を確認するポイント
もし擁壁が崩れてしまった場合でも、焦らず落ち着いて行動するために役立つ情報が満載なので、ぜひ参考にして下さい。
また、保険金の給付が受けられるかの無料相談を実施している業者もあります。申請に関する様々なサポートを提供しているので、相談してみるのも手でしょう。
擁壁が崩れた時に火災保険で補償されるケース2選
擁壁の修理には火災保険を適用できるケースがあります。火災保険で損害を補償できる災害は大きく分けて下記の8つです。
- 火災
- 風災
- 落雷
- 水災
- 爆発
- 竜巻
- 雹災
- 雪災
一概に「災害」といっても、状況によって補償されないケースもあるのです。
本項目では、擁壁が壊れた際に火災保険が適用できるケースを2つ紹介します。
①台風などの大雨が原因で倒壊した
台風や豪雨などによる洪水や土砂崩れなどの災害により、擁壁や土留が損害を受けた場合は、補償を受けられる可能性があります。
補償を受けられるのは、以下の「水災補償」支払い基準のいずれかを満たす場合です。
- 建物・家財の保険価額に対して30%以上の損害を受けている場合
- 床上浸水(畳みやフローリングなどの居住部分の床を超える浸水)または、地盤面(建物が立っている地面)から45cmを超える浸水によって損害が生じている場合
上記の支払い基準に加えて、契約プランに「水災」が入っているか、しっかり確認しておきましょう。
②自動車が衝突して崩れた
自動車が擁壁に衝突した際は、運転手の過失となるため、相手側(運転手)に修繕義務が発生します。
しかし、なかには衝突してそのまま逃げてしまうというパターンもあるでしょう。
そのような場合は、「 建物外部からの物体の落下・飛来・衝突など」という補償が適用されます。
この補償は全ての火災保険に付いているわけではないので、加入している契約プランを確認しておきましょう。
保険会社によっては、オプションとして設定されている場合や、他の補償とセットになっていることもあります。
擁壁の倒壊で他人に被害を与えたら火災保険で補償される?
擁壁が壊れた際、自身の敷地内で収まればよいのですが、他人に被害を与えてしまうこともあります。
自然災害が原因で崩れてしまったのであれば不可抗力であり、損害を賠償する責任は生じません。
「自然災害であっても明らかに危険が伴っていたにも関わらず放置していた。それが原因で、他人に被害を与えてしまった。」という場合は、賠償責任が発生する可能性があります。
火災保険で賠償に対応するのであれば、個人賠償責任保険に加入しておくことが必要です。
個人賠償責任保険は、オプションとして用意されています。
加入しているか分からないときは、保険証券を確認してみましょう。
なお、個人賠償責任保険は、擁壁の倒壊で他人に危害を加えてしまった場合以外にも、様々なトラブルに対応できます。
- 自転車に乗っていて人をはねてしまった
- ペットのイヌが人を噛んでしまった
- ベランダから過ってモノを落としてしまい、通行人に怪我をさせてしまった
- 買い物中に商品を落として壊してしまった
- トラブルが起きてしまい、高額な賠償責任が生じた
上記のような場合でも、補償を受けられるため、万が一のお守りとして加入しておくとよいでしょう。
擁壁の倒壊で火災保険を申請するなら申請サポート業者に相談しよう
擁壁の倒壊はいつ起こるか分かりません。
「急に倒壊してしまい、火災保険を使いたいが、申請方法がよく分からない」
「申請漏れがあり全額もらえなかった。」
上記のようなトラブルを防ぐためにおすすめなのが、火災保険申請サポート業者を利用することです。
申請サポート業者は面倒かつ、複雑な保険の申請手続きをサポートしてくれます。
また、建物と火災保険の両方に精通しているため、申請可能な被害箇所を見逃さず、給付金を最大化してくれます。
また、サポート会社は保険金の給付が受けられるかの無料相談を実施しています。
信頼できる修理の見積もり業者の紹介も行っているため、まずは専門家に相談をしてみるのも手でしょう。
倒壊する前に確認!擁壁の状態をチェックするポイント5選
擁壁が倒壊してしまった場合、火災保険や個人賠償責任保険に加入をしておけば、補償を受けられる可能性は高いです。
ここでは、倒壊する可能性の高い擁壁の特徴として、次の5つのチェックポイントを紹介します。
- 法令の規則に適合しているかどうか
- 崩れる危険性の高い構造でないか
- 適切な数の水抜き穴があり、詰まっていないか
- 排水溝と側溝がキチンと機能しているか
- ひび割れなど目視で確認できる物理的な異常がないか
擁壁の状態を事前に確認しておけば、保険の補償対象になるかを知ることができます。
①法令の規則に適合しているかどうか
一定規模の擁壁を設置する際には、次の許可をとり、申請を行っておかなければなりません。
- 都市計画法による開発許可
- 宅地造成等規制法による許可
- 建築基準法による確認申請
これらの許可申請の履歴は、不動産の所在地を管轄する市区町村役場の建築指導課などで確認することができます。
しかし、昔に建てられた擁壁などは、この法令規則に基づいていない可能性もあります。
法令の規則に適合していなかった場合は安全性に問題がある可能性もあるため、自治体や専門家への相談をしましょう。
法令の規則に適合していたとしても、年月によって劣化している可能性もあります。
適合の確認ができたとしても安心せず、現在の状況を把握しておきましょう。
②崩れる危険性の高い構造でないか
古い擁壁の中には、現在の法令規則を満たされていないタイプのものが多く、構造上崩れる危険性が高いものもあります。具体的には以下のような擁壁です。
- 擁壁同士が重なっている擁壁
- 石を積み上げているだけの擁壁
- 元ある擁壁の上に後から追加で積み上げた擁壁
擁壁が倒壊して他人に損害を与えると、多額の賠償金が発生することがあります。
火災保険や個人賠償責任保険などに加入しておけば、補償金を賠償に充てることも可能です。
擁壁がある住宅を所有している場合は、万が一に備えてしっかりと対策をしておきましょう。
以下では、それぞれの構造について詳しく説明します。
擁壁同士が重なっている擁壁
擁壁同士が重なっている構造は、高い擁壁によく見られます。
擁壁の上に別の擁壁を階段状に乗せることで、高さをカバーする構造です。
しかし、安全基準の満たされた擁壁であっても、擁壁は重ねることを想定して作られていません。
一段目の擁壁が2段目の擁壁の重さに耐えきれず、地震や台風、大雨で倒壊する恐れがあり大変危険です。
石を積み上げているだけの擁壁
擁壁の補強などをせず、ただ石を積み上げているだけの擁壁は危険です。
比較的低めで古い擁壁に見られる構造で、石を積み上げ、その重みだけでバランスをとっています。
横向きの土壌の力や水圧にとても弱く、大雨や震度の低い地震でも簡単に倒壊する恐れがあります。
元ある擁壁の上に後から追加で積み上げた擁壁
元ある擁壁の上に後から追加で積み上げていくことを「増し積み擁壁」言います。
上と下で擁壁の種類が違うため、外観からすぐに分かることも特徴です。
擁壁自体が安全基準を満たしていたとしても、積み上げて設置することは構造上、想定されていません。
そのうえ、上の擁壁と下の擁壁は一体化されていないため、重さに耐えられず地震や大雨で簡単に倒壊する恐れがあります。
③適切な数の水抜き穴があり、詰まっていないか
擁壁には強度と安全性を保つため、適切な数の水抜き穴が必要です。
3㎡あたり内径7.5cm以上の水抜き穴を1カ所以上設置しなければならないという基準が設けられています。
適切なサイズの水抜き穴が開いているか、目視で確認しましょう。
ごみや落ち葉などで穴が詰まっていると、適切に水が排出されません。
穴の内部が詰まっていないかもチェックしておきましょう。
また、擁壁の表面が乾いているかも重要です。
表面が湿っていたり、水がしみだしたりしていたら、水抜き穴の排水機能に何らかの異常が発生している可能性があります。
④排水溝と側溝がキチンと機能しているか
排水を促すため、擁壁には上部に排水溝、下部に側溝が設置されています。
排水溝と側溝に異常があると排水が妨げられ、擁壁の劣化や倒壊に繋がる可能性があります。
そのため、下記3点に注意して排水が正常に行われているか確認をしましょう。
- コンクリートのつなぎ目は開いていないか
- 雑草などが生えていないか
- コケや土が蓄積していないか
上記のような異常が見られる場合は、専門家に相談することをおすすめします。
⑤ひび割れなど目視で確認できる物理的な異常がないか
危険な擁壁の多くに、擁壁のひび割れやつなぎ目の開きといった裂け目が見られます。
下記の7点に注意して、擁壁に異常がないか定期的に確認を行うことをおすすめします。
- ひび割れの有無
- 水平移動していないか
- 沈下していないか
- コーナー部分は開いていないか
- 擁壁全体が膨らんでいないか
- 擁壁が傾いていないか
上記の症状が目視で確認できる場合は、早急に修繕を考えましょう。
まとめ:擁壁の補修や倒壊による修理には火災保険を活用しよう
擁壁が崩れた時に火災保険で補償されるケース、倒壊する前に擁壁の状態を確認するポイントを解説しました。
擁壁が崩れた際、火災保険で補償を受けられる可能性があります。
ただし、支払い基準があることに加え、オプション契約をしないと補償されない災害もあるので注意してください。
もし、擁壁の倒壊で火災保険申請をご自分で行うのが難しければ、火災保険申請サポートのプロである「修復ナビ」を利用するのがおすすめです。
火災保険の申請は複雑な専門知識が必要なため、ご自身で給付金請求を行うと、見落としや間違いが発生する可能性もあります。
スムーズな申請と最大限の給付金を受け取るには、プロの力を借りるといいでしょう。
「修復ナビ」ではご相談から火災保険の申請サポートまですべて無料で対応しています。また弁護士監修で、現地調査も一級建築士などのプロが行うため安心してご利用できます。
気になることがございましたら、まずはお気軽にメールやLINEでご相談ください。すべて無料で対応させていただきます。