窓ガラスの修理に火災保険は使える?適用条件や申請方法を解説

窓ガラスが割れてしまった時、修理代が高いのではと不安を感じる方も多いのではないでしょうか。しかし、実は火災保険を活用することで、修理費用を節約できる可能性があるのです。

火災保険の補償内容は一見するとわかりにくいところがあります。窓ガラスの修理に適用される場合もあれば、適用外となる場合もあります。そこで、火災保険を上手に活用する方法をご紹介します。

この記事では、窓ガラスが割れた際に火災保険が適用される場合と適用されない場合、保険を利用する際の手順や注意点などを、わかりやすく解説いたします。

目次

窓ガラスが割れたら火災保険が使える可能性がある

窓ガラスが割れたら火災保険が使える可能性がある

窓ガラスが割れた際、火災保険を活用して修理費用を節約できる場合があります。ただし、保険の適用には条件があり、全ての破損が補償対象とは限りません。

加入している火災保険の補償内容を確認し、窓ガラスの破損が対象か確かめましょう。多くの場合、自然災害、事故、第三者による破壊行為などが補償されます。

また、免責金額(自己負担額)と補償限度額(給付金の上限)を把握しておくことも重要です。これらは保険商品によって異なるため、事前に確認が必要です。

窓ガラスの破損が補償対象となる場合、保険会社に連絡し、指定の修理業者を手配します。自分で業者を選ぶこともできますが、その際は見積もりを提出し、保険会社の審査を受ける必要があります。

火災保険が窓ガラス破損に適用されるケース

火災保険が窓ガラス破損に適用されるケース

窓ガラスは様々な原因で破損し、その修理費用は高額になる可能性があります。幸い、一般的な火災保険では窓ガラスの破損も補償の対象となるケースが多数あります。ここでは、火災保険が適用される主な窓ガラス破損のケースを解説します。

自然災害による破損(台風、雹など)

台風や強風によって窓ガラスが破損する事例は数多く報告されています。

2019年9月に関東地方を直撃した台風15号では以下のような被害が発生しました。

千葉県市原市の市役所では、第2庁舎と議会棟内で計24枚のガラスが破損しました。特に第2庁舎南面の入り口付近で3枚のガラスが壊れ、そこから風が吹き込んだことで庁舎内部に被害が拡大し、北面のガラスにも破損が及んだとのことです。

また、千葉県内の住宅でも多くの窓ガラス被害が確認されました。築年数の経った住宅や海岸沿いの住宅では被害が目立ちました。さらに東京都の神津島や新島でも、住宅や店舗、倉庫などの窓ガラスが割れる被害が生じています。

このように、台風などの自然災害が発生すると、窓ガラスの破損が発生することは決して珍しくありません。

こんなときに、適切な火災保険に加入していれば修理費用が賄える可能性が高くなります。特に、台風や雹などの自然災害リスクが高い地域に住んでいる場合は、窓ガラス破損の補償が手厚い火災保険を選ぶことをおすすめします。

第三者の過失による破損

第三者の過失による破損

窓ガラスの破損は、第三者の過失によって引き起こされることもあります。

例えば、空き巣の侵入により窓ガラスが破壊されるケースもよくあります。警察庁の統計によると年間数千件にも上ります。また、近隣の工事で資材や工具などが飛散し、窓ガラスに衝突して破損することもあります。

このように、第三者の過失による予期せぬ窓ガラスの破損は、日常的に発生しうるリスクです。加害者が特定できれば損害賠償を請求できますが、わからないケースも多々あります。そんな時、火災保険の補償があれば、高額の修理費用を自己負担せずに済むので安心です。

熱割れによる破損

窓ガラスは温度変化の影響を受けやすく、熱によって破損することがあります。これを熱割れと呼びます。夏は強い日差しで窓ガラスの表面温度が急上昇し、冬は暖房で室内外の温度差が広がります。これらが繰り返されることにより、窓ガラスにひびが入り、やがて割れてしまうのです。

ガラスの種類によっても熱割れの危険度は変わります。一般的な単板ガラスは割れやすい一方、複層ガラスや網入りガラスは熱割れを防止する効果があります。

熱割れは古い窓で発生しやすくなります。火災保険であらかじめ備えておくのがおすすめですが、一部の保険商品では熱割れを免責としているケースもあるので、契約時に確認が必要です。

火災保険が窓ガラス破損に適用されないケース

火災保険が窓ガラス破損に適用されないケース

すべての窓ガラス破損が火災保険の適用対象になるわけではありません。次に、火災保険が適用されない代表的な3つのケースを詳しく見ていきましょう。

経年劣化や自然摩耗、故意・重過失、地震による破損は、一般的に火災保険の補償対象外となります。これらについて詳しく解説していきます。

経年劣化や自然消耗による破損

窓ガラスは、長年の使用に伴って少しずつ劣化が進行します。日光や風雨にさらされ続けることで、ガラス表面の透明度が低下したり、細かなひびが入ったりして劣化していきます。こうした経年劣化や自然摩耗が原因で発生した破損は、火災保険の補償対象から外れるのが一般的です。

その理由は、火災保険が突発的かつ偶発的な事故を補償する性質を持つことです。ゆっくりと進行する劣化は、突発的な事故とは見なされません。つまり、窓ガラスのメンテナンスを疎かにし、劣化が進んだ結果として起こった破損は、火災保険ではカバーされないということです。

経年劣化や、経年劣化の際に修理費用を抑える方法に関してはこちらの記事をご覧ください。

故意・重過失による破損

故意・重過失による破損

窓ガラスの破損が、故意または重大な過失によって引き起こされた場合、火災保険の補償対象から外れます。具体的には、以下のようなケースが該当します。

  • 意図的に窓ガラスを割ってしまった
  • 窓ガラスに過度な力を加えて破損させた


このように、故意や重過失による破損は、給付金の不正受給につながる危険性があるため、火災保険の適用外となります。

地震による破損

地震が原因で窓ガラスが破損した場合、通常の火災保険では補償されません。なぜなら、地震によって生じた損害は、火災保険の適用対象外だからです。

日本は地震大国なので、地震による窓ガラスの破損リスクは高くなっています。特に、大規模な地震が発生した際は、建物の揺れによって窓ガラスが割れるケースが相次ぎます。

したがって、地震による窓ガラスの破損に備えるには、火災保険とは別に地震保険に加入する必要があります。地震保険は、地震・噴火・津波によって生じた損害を補償する特約であり、火災保険に付帯する形で契約することができます。

火災保険を使った窓ガラス修理の流れ

火災保険を使った窓ガラス修理の流れ

窓ガラスが割れてしまった時、火災保険を利用して修理を行う際の一連の手順を把握しておくことは重要です。ここでは、破損の確認から給付金の受け取りまで、窓ガラス修理の各段階で必要な対応を順を追って解説します。

破損状況を写真や動画で記録

窓ガラスの破損に気づいたら、まず被害の状況を詳しく記録することが肝心です。破損した窓ガラスをさまざまな角度からカメラで撮影し、写真や動画として保存しておきましょう。

記録の際は、以下の点に注意が必要です。

  • 被害の全容が把握できるよう、近距離と遠距離の両方から撮影する
  • 破損の大きさや深刻度がわかるようにブレがないように撮影する
  • 破損の原因となったものや周辺の状況も合わせて撮影する


これらの記録は、給付金請求の際に破損の状況を説明する重要な根拠となります。

補償内容を契約書類で確認

次に、加入中の火災保険の契約書類を見直し、窓ガラス破損の補償内容を確認します。多くの火災保険では、窓ガラス破損は補償の対象となっています。しかし、補償の範囲や条件は保険会社や契約内容によって様々です。

確認すべき主なポイントは以下の通りです。

  • 窓ガラス破損の補償上限額
  • 自己負担額(免責金額)の有無と金額
  • 補償対象となる窓ガラスの種類(単板ガラス、複層ガラスなど)
  • 補償の適用外となる事例(経年劣化、故意・重過失など)


これらの情報を事前に理解しておくことで、円滑に給付金請求を進められます。

保険会社に連絡し、事故受付と申請書類を受領

保険会社に連絡し、事故受付と申請書類を受領

補償内容を把握したら、契約している保険会社に連絡を取ります。窓ガラス破損の状況を報告し、事故の受付を行ってもらいます。その際、給付金請求に必要な書類についても確認しておくとよいでしょう。

保険会社から送られてくる主な申請書類は以下の通りです。

  • 事故報告書
  • 給付金請求書
  • 修理費用の見積書(修理業者に依頼)


これらの書類に必要事項を記入し、破損状況の写真や動画と一緒に保険会社に提出します。

修理業者に見積書作成を依頼

保険会社に事故受付をしてもらったら、窓ガラスの修理業者に連絡し、見積書の作成を依頼します。その際、火災保険を利用して修理を行うことを伝え、保険会社が求める見積書の形式を確認しておくことが重要です。

見積書には、以下の情報が盛り込まれている必要があります。

  • 修理対象の窓ガラスの種類と枚数
  • 修理に必要な部材費と工賃
  • 修理完了までの所要日数


見積書に誤りがあると、給付金申請が通りにくくなる恐れがあります。しっかりと確認してから保険会社に提出しましょう。

必要書類を揃えて給付金請求

事故報告書、給付金請求書、修理費用の見積書など、給付金請求に必要な一連の書類が整ったら、保険会社に提出します。その際、窓ガラス破損の状況を撮影した写真や動画も添付することを忘れずに。

提出書類に不備や漏れがある場合、給付金の支払いが遅れる恐れがあります。書類の記入ミスや抜けがないか、提出前に入念にチェックすることが大切です。

審査完了後に給付金が支払われる

保険会社に提出した書類をもとに、給付金請求の審査が行われます。給付金の支払いが認められると、指定した口座に給付金が振り込まれることになります。

ただし、審査の過程で追加の資料提出を求められることもあります。窓ガラス破損の原因によっては、事故の詳しい説明や第三者の証言が必要になる場合があります。

保険会社からの連絡には速やかに対応することで、スムーズに受け取ることができます。

窓ガラス修理に火災保険を使う際の注意点

窓ガラス修理に火災保険を使う際の注意点

窓ガラスが破損した際、火災保険を利用することで修理費用を節約できる場合があります。しかし、保険を使う前に理解しておくべき重要なポイントがいくつかあります。ここでは、火災保険を利用する際の3つの主な注意点について詳しく説明します。

保険の種類によって免責金額が異なる

火災保険を使って窓ガラスの修理を行う場合、まず確認すべきなのが免責金額です。免責金額とは、給付金が支払われる際に自己負担となる金額のことです。この金額は保険の種類によって異なりますが、一般的には火災保険では0円~10万円程度まで設定できます。※

免責金額が高いほど自己負担額が大きくなるため、保険を利用するメリットが減少します。逆に、免責金額が低いまたは設定されていない保険では、自己負担額を抑えられるため、保険を利用する価値が高まります。加入している火災保険の免責金額を把握し、修理費用とのバランスを考えて保険利用の判断をすることが賢明です。

※参照 https://faq.sonysonpo.co.jp/faq_detail.html?id=4025

示談交渉サービス付帯の有無を確認

示談交渉サービス付帯の有無を確認

火災保険に示談交渉サービスが付帯されているかどうかも確認しましょう。示談交渉サービスとは、第三者の過失により窓ガラスが破損した場合、保険会社が被害者に代わって加害者との示談交渉を行うサービスです。

円滑な示談交渉が期待でき、交渉に費やす手間と時間を省くことができます。また、法律知識が乏しくても適切な補償を受けられる可能性が高まります。

一方、示談交渉サービスが付帯されていない火災保険もあります。その場合、被害者自身が加害者との交渉を行う必要があります。時間と労力を要することになりますので頭に入れておきましょう。第三者の過失による窓ガラス破損に備え、加入中の火災保険の示談交渉サービス付帯状況を確認しておくことをおすすめします。

条件によっては保険料に影響する可能性がある

火災保険を使って窓ガラスを修理した場合、状況によっては将来の保険料に影響を与える可能性があります。例えば、短期間に複数回保険を利用したり、修理費用が高額だったりした場合、保険会社から保険料の引き上げを提案されることがあります。

また、災害リスクの高い地域に居住している場合も、保険料増額につながる可能性があります。ただし、保険料の改定はあくまで保険会社の判断に基づくものです。窓ガラス修理に保険を使ったからといって必ず値上げされるわけではありません。

日頃から窓ガラスを大切に扱い、破損リスクを減らすことが保険料の引き上げを回避する効果的な方法と言えます。定期的な窓ガラスのメンテナンスを行い、破損を未然に防ぐよう心がけましょう。

まとめ

まとめ

窓ガラスが割れた際、火災保険を適切に活用することで修理費用を抑えられる可能性があります。ただし、保険の内容は複雑で、適用されるケースを理解しておく必要があります。

火災保険が適用されるのは、主に自然災害、他人の過失、温度差による破損などのケースです。一方、経年劣化、意図的な破損、地震による破損は通常補償されません。

火災保険の申請の際には、申請サポート「修復ナビ」にご相談ください。修復ナビは弁護士監修のもと、AIを活用した独自の申請技術で、高い認定率と給付金額を実現しています。

無料の事前診断で給付金額を確認でき、給付金が得られた場合のみ成功報酬を支払う形式なので、安心してご利用いただけます。火災保険の申請で気になる点があれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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