火災保険は外壁塗装に使える？給付を受ける条件と修繕以外で使うときの注意点とは？

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弁護士法人　福地海斗法律事務所
弁護士 福地海斗

略歴
中央大学法学部卒業 ／東京大学法科大学院入学 ／第二東京弁護士会所属

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自然災害や突発的に発生した事故で家屋や家財が破損した場合、火災保険の給付金申請が可能です。火災保険が利用できるのは火災だけではなく、台風や大雨などが原因の被害でも費用を補償してくれます。また、火災保険の給付金の使い道は契約者の自由であるため、外壁塗装にも使えるのです。

ところが、火災保険の給付金の使用目的に制限がないことを利用して、高額な費用で外壁塗装を持ちかける業者がいるので注意が必要です。この記事では、火災保険の補償を受けられる条件についてお伝えし、給付金を外壁塗装に使用する際の注意点を解説します。

火災保険が外壁塗装に利用可能な条件

火災保険の給付金は火災による家屋や家財の消失の他に、自然災害や突発的に発生した事故などが補償の対象です。予測できない事象による被害を火災保険はカバーできます。

そのため、予想可能な経年劣化に由来する外壁塗装に、火災保険の給付金が直接おりることはありません。しかし、自然災害などが理由で、外壁や他の破損箇所におりた火災保険の給付金を、外壁塗装に使用することは可能です。

火災保険の給付が受けられる条件には、以下のものがあります。

1.自然災害または偶然かつ突発的な事故により発生した破損

外壁塗装が理由で火災保険の申請はできません。経年劣化を防ぐために施工する外壁塗装は、補償の対象外だからです。

火災保険の給付の対象となる被害原因には、以下のものが挙げられます。

2.経年劣化による破損ではない

家屋や家財の破損原因が経年劣化であるときは、火災保険の給付金を受けられません。火災保険は予期せぬ事象による被害を補償する保険であるため、経年劣化のように発生の予測が可能な損傷は対象外です。外壁は風雨にさらされることもあり、時間の経過とともに劣化するため、建物を長く使用するためには定期的に外壁塗装を行うことは必須です。

経年劣化ではなく、自然災害や偶然かつ突発的に発生した事故による破損に支払われる火災保険の給付金には、使用目的の制限がありません。そのため、給付金を外壁塗装の費用に使用することは可能です。

しかし、他の破損箇所の修繕費用としておりた給付金を外壁塗装に使用すると、本来の破損箇所の修繕ができないため、給付金の使途はよく考えて決めましょう。

3.被災から3年以上経過していない

火災保険の給付には請求期限があり、補償を受けるには期限内に請求する必要があります。

火災保険の請求期限は3年で、保険法の第95条第1項に規定されています。

（消滅時効）

第九十五条　保険給付を請求する権利、保険料の返還を請求する権利及び第六十三条又は第九十二条に規定する保険料積立金の払戻しを請求する権利は、これらを行使することができる時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。

出典：e-GOV法令検索　保険法

被災してから3年以内に火災保険の請求をしなければなりません。直近3年以内に台風などの被害があった場合は、請求期限を迎える前に不具合がないか確認しておくと良いでしょう。

4.施工不良による破損ではない

家屋の破損が施工会社のミスによるものであれば、火災保険の給付金を受けられません。リフォームや屋根の葺き替え工事で誤って破損してしまった被害は、施工会社に原因があります。

また、新築10年以内の住居の雨漏りが発生した場合などは、建築会社に瑕疵担保責任があるため、火災保険では補償されません。新築住宅は国土交通省の定める特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律（住宅瑕疵担保履行法）により、新築住宅を請け負う会社に10年間の瑕疵担保責任を義務付けています。

住宅の品質確保の促進等に関する法律（住宅品質確保法）に定める新築住宅の請負人等が負う 10年間の瑕疵担保責任の履行を確保するための法律です。

参照：国土交通省 住宅瑕疵担保履行法

万が一新築住宅で建築から10年以内に雨漏りなどの被害が発生した際は、瑕疵担保履行法により、無償で修繕が受けられます。

5.修繕費用が免責額を上回っている

火災保険の給付金を受けるには、被害額が免責金額を上回っている必要があります。

火災保険には、エクセス方式とフランチャイズ方式の2種類の免責タイプがあります。エクセスタイプはあらかじめ決められた免責額を超えた金額が支払われるもので、フランチャイズ方式は被害額が20万円を超えると全額給付金が支払われるものです。

被害が火災や自然災害、偶然かつ突発的に発生した事故が原因であっても、免責額を超えていない場合は、給付金はおりません。

6.故意に破損したものではない

給付金を得る目的で、故意に家屋や家財を破損した場合は、給付金はおりません。このような行為は、給付金を騙し取る詐欺に相当します。

外壁塗装を請け負う会社の中には、火災保険を悪用して給付金詐欺を持ちかける悪徳業者も存在します。火災保険で外壁塗装がタダでできると甘い言葉で近づき、給付金を目当てに故意に家屋を破損する業者には十分気をつけてください。

このような悪徳業者が営業をしかけてきたときは、毅然とした態度で断り、詐欺行為に加担しないようにしましょう。

火災保険を外壁塗装に利用するときの注意点

火災保険を外壁塗装に利用することは、他の修繕におりた給付金で費用を賄うということです。そのため、注意点についても理解して、外壁塗装に火災保険の給付金を使用するか判断しなければいけません。

給付金を修理に使わないと被害が拡大する恐れがある

外壁塗装に火災保険の給付金を使うと、本来修繕が必要な箇所が直せません。破損箇所を修理せず放置してしまうと、被害が拡大する恐れがあります。そのため、火災保険の給付を受けた破損箇所は、早急に修繕するのが理想です。

また、火災保険がおりた破損箇所を修理して、再び同じ箇所が破損したときは、次の火災保険の申請で給付金を受けられる可能性があります。しかし、損傷箇所を修理しないまま放置して、同じ箇所を改めて火災保険を申請しても給付金はおりません。

このことを踏まえて、火災保険の給付金を外壁塗装に使用することについて検討しましょう。

家屋の損傷を見つけるのは難易度が高い

火災保険で外壁塗装するには、家屋の損傷を見つけて給付金を申請する必要があります。しかし、火災保険の請求が可能な損傷箇所を、個人が見つけることは難易度が高い作業です。

家屋の損傷を火災保険の給付につなげるには、建物と火災保険の両方の専門知識が必要です。闇雲に火災保険を申請しても、期待する給付金額が支払われる可能性は低いでしょう。

また、火災保険の申請では、家屋の損傷が自然災害によるものであることを証明する必要があります。例えば、台風による破損であることを証明する場合は、破損状態の検証や被害発生時の気象情報の収集などが必要です。

外壁塗装を火災保険で賄うために、専門知識がない人が、家屋の損傷を給付金につなげるのは容易ではありません。

火災保険を使って外壁塗装をすすめてくる業者に注意

火災保険の給付金が外壁塗装に使えるといって、営業をしかける業者には注意が必要です。外壁塗装を火災保険で賄うには、他の破損箇所で給付金を申請し、それをあてるからです。火災保険で外壁塗装がタダになるなどのうたい文句で、施工をすすめる業者の話をうのみにしてはいけません。

故意に家屋を破損して火災保険を請求する手口

火災保険を使って外壁塗装をすすめる業者の中には、不正な手口で給付金を請求しようとするものがいます。例えば、家屋に破損がないか無料診断すると偽って、屋根などに上がり住人の死角で瓦などを破壊し、火災保険の請求を持ちかけてくるのです。

家屋を故意に破損して火災保険を請求する行為は、詐欺行為に該当します。業者の不正行為を知らないまま火災保険を申請したとしても、給付金を請求したのは契約者本人であるため、詐欺の首謀者と捉えられてしまう恐れもあります。家屋の無料診断などを口実に、訪問営業する業者には十分注意してください。

火災保険申請代行と外壁塗装業者が裏で手を結んでいる場合

保険申請代行と外壁塗装業者が裏で手を組んで、高額な施工費用を請求する手口の詐欺被害が発生しています。火災保険で外壁塗装が賄えるなどと訪問営業して、家屋の修繕費を相場より高く見積もり、給付金を申請させます。

火災保険申請代行業者は裏でつながっている外壁塗装の施工業者を紹介し、火災保険の給付金が施工費にあてられるからと、給付金受給前に高額な契約を結ばせるのです。しかし、実際は見積り通りに火災保険はおりず、給付金を超える施工費用を請求するケースや工事キャンセルの高額な違約金を請求するケースが発生しています。

火災保険申請代行がセットで施工業者を紹介する場合は、悪徳業者の可能性が高いため注意が必要です。

火災保険で外壁塗装を賄う際の悪質業者を回避する方法

保険の制度を悪用して、詐欺をはたらく悪徳業者の被害に合わないためには、火災保険の申請と外壁塗装の施工は関係のない会社に依頼することが安心でしょう。また、誠実に火災保険の申請をサポートしてくれる専門家に手助けを依頼するのも、被害に遭わないための1つの手段です。

火災保険の申請と外壁塗装の施工は別の会社に依頼する

悪徳業者の多くは給付金がおりる前に、高額な外壁塗装の契約を結ぼうとします。火災保険の申請代行と外壁塗装の業者がグルになり、給付金以上の施工契約を結ぼうとたくらんでいるからです。

このような悪徳業者の被害に合わないためには、火災保険の申請をサポートする会社と外壁塗装の施工会社を分けて契約すれば、トラブルは防げるでしょう。

もし火災保険申請サポートと外壁塗装を関係のある業者に依頼するとしたら、外壁塗装の施工契約は火災保険の給付金が振り込まれた後に行ってください。これは、関係のない業者に依頼しても同様です。
火災保険の給付金額は、支払われるまでいくらなのかわからないため、請求した金額よりも支払われた額が低い場合は、外壁塗装の施工計画の変更が必要だからです。

火災保険の申請は専門家に依頼する

保険申請は、誠実に対応してくれる建物と火災保険の専門家である火災保険申請サポートに依頼してください。火災保険の申請は契約者本人が行わなくてはならず、火災保険の申請でサポートできるのは被害箇所の発見・見積りと申請に必要な手続きの助言です。

火災保険の申請を全て代行するのは、法律違反にあたります。申請代行ができるのは、弁護士のみです。

給付金請求は火災保険申請サポート業者の力を借りる

火災保険申請サポート業者は建物と火災保険に精通したプロフェッショナルが、破損箇所を発見して見積りするので、請求金額を最大化できます。サポート業者は火災保険について熟知しているので、給付につながる破損箇所を見逃しません。

また、複雑な申請の手順や書類の作成について、的確にアドバイスしてくれるためスムーズに給付金の請求が行えます。

火災保険申請サポート業者は建物の調査力が高く、法令を順守して申請を手助けしてくれる誠実な会社を選んでください。

まとめ

火災保険は、自然災害や突発的に発生した事故による家屋の破損を補償してくれます。外壁塗装が理由で火災保険の補償は受けられませんが、給付金の使い道に制限がないため、他の破損箇所の修繕費用としておりた給付金をあてられます。

しかし、火災保険の給付金の使用目的に制限がないことを悪用して、給付金以上の外壁塗装を持ちかける悪徳業者がいるので注意が必要です。火災保険で外壁塗装する際は、申請と施工は別の会社に依頼しましょう。

修復ナビでは、火災保険申請サポート業務のみ行っているため、給付金を受け取った後の使い道はお客様の自由です。もちろん外壁塗装や修理などに使用しても、使用しなくても問題ありません。
また、相談や給付金額診断から申請サポートまで無料で行っております。さらに、完全成功報酬型のため、給付金がもらえなければ費用は全くかかりません。手数料も28％（税抜）と業界最安値でご案内しています。
給付金を外壁塗装の費用に当てたい方も、自然災害による被害に心当たりがある方や火災保険申請の対象なのかわからない方も、お気軽にご相談ください。

この記事は弁護士が監修してます。

弁護士法人　福地海斗法律事務所
弁護士 福地海斗

略歴
中央大学法学部卒業 ／東京大学法科大学院入学 ／第二東京弁護士会所属

火災保険申請サポートを安心して利用いただけるように、私が法律面をしっかり監修しております。修復ナビは信頼できる火災保険申請サービスですので、お気軽にご利用ください。